
トルコアイス・ドンドゥルマ
公開日 2021年8月4日 最終更新日 2023年5月21日
概要
トルコのアイスクリームといえば、毎年夏になるとファミマに登場する”トルコ風アイス”のような、のびるアイスを思い浮かべる方も多いと思います。トルコ語でアイスクリームや氷菓は”ドンドゥルマ/Dondurma”といい、のびるトルコアイスは、”マラシュ・ドンドゥルマ”とよばれます。スーパーで売られているアイスは、欧米メーカーのものと、トルコ国内メーカーのものがあって、どちらも、チョコレートやピスタチオなどがメインの味で、日本のアイスクリームと同じように美味しく、ハラルの認証ですので、豚由来の添加物は入っていません。

一方で、マラシュ・ドンドゥルマ/Maraş Dondurmaは、カフラマンマラシュ産のミルクを使い、サーレップとよばれる粉末が入れるため、独特の風味と粘りを出し、のびるアイスとして知られるようになりました。トルコ各地で見られるアイスクリームの屋台では、このマラシュ・アイスクリームを販売しています。アイス屋さんのおもしろパフォーマンスは、イスタンブールのみならずトルコ各地で、または、日本でも、羽田空港内のトルコ料理店や、トルコ関連のイベントで体験する機会があります。

また、オスマン帝国時代の氷菓といえば、カルサムバチ(karsambaç)とよばれるソルベでした。当時はまだアイスクリームはなかったようです。ドラマ『オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜』にも度々、ソルベを食べるシーンが登場していました。カルサムバチではありませんが、オスマン帝国時代にも食べられていた”ビジビジ”とよばれるかき氷を、屋台や南東アナトリア地域のお店で食べることができます。日本のかき氷との違いは、氷は澱粉入りであることと、バラシロップをかけて、氷砂糖をいれるところ。トルコ国内でも、高温となる南東アナトリア地方の名物ですので、訪れたさいにはぜひお味見を。
マラシュ・アイスクリームの作り方
のびるアイスに使うミルクは、牛ではなく山羊ミルクです。トルコ東部のカフラマンマラシュ市近くにあるアーヒル山で育てられた山羊のミルクは、タイム、ゲンゲ、ヒヤシンス、クロッカスなどのハーブや花を食べて育てられていて、独特の風味を出すことで知られています。

山羊のミルクを90℃に温めたら、サーレップ、砂糖の順に投入して混ぜ、一晩休ませます。翌日2時間かけて冷やしたら完成。硬めのアイスクリームになります。
のびるアイスを食べるなら


さまざまなカフェやレストランでいただくことができますが、おすすめは、朝食、スイーツ、ドンドゥルマがいただける有名チェーン店MADO(マド)です。アイスの老舗MADOのドンドゥルマは、若者からお年寄りまで大人気。一年中、大定番のアイスクリームショップです。レストランなどでいただくアイスは、日本で食べるアイスクリームよりも硬めなので、ナイフとフォークを使っていただきます。カフェでは、サンデーのように提供されることもあります。ドンドゥルマジュのお兄さんたちが、常に練り続けているのは、パフォーマンスのためではなく、すぐに固まってしまうため。練って練って、あののびるアイスクリームになります。レストランでは練らずに、少し硬めのままいただきますが、これはこれで美味しいものです。
ギャラリー
[※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。