超快適バスで都市間移動!バス大国トルコの高速バス

公開日 2021年8月6日 最終更新日 2023年6月29日

概要
アンカラのバスターミナル・アシュティ

日本の国土の2倍に相当するアナトリアの大地に点在する都市を渡り歩くためには、昔から鉄道よりバスが有利でした。車が普及し鉄道網が整備されてきた現在も、都市間バスは広いアナトリアの大地を縦横無尽に走っています。便利でお得な都市間バスを走らせるバス会社は、大手数社のほか、地域密着型のバス会社が数百社あります。バス会社が利用するバスターミナルもその都市ごとにり、大都市のバスターミナルは、まるで空港のような規模と設備です。トルコの都市間バスを初めて利用される方のため、安心・便利に利用できる都市間バスについてをまとめてみました。

大手バス3社とおすすめのバス会社

初めて都市間バスを利用するのなら、大手バス会社がおすすめです。取扱路線も多いうえ、外国人観光客も多く利用しているので安心できます。

メトロ・ツーリズム(Metro Turizm)
メトロ・ツーリズム社

最大手のメトロ・ツーリズム社は、設定路線・本数ともに最多です。大都市間のみならずマイナーな都市間の路線も走らせ、チケット代も安価なため、バックパッカーや気ままな一人旅では助けになってくれるありがたい存在です。安価な設定のため、サービスの質はノーマルです。より上質なサービスを求めるのなら、他社を選択することをおすすめします。

キャーミル・コチ(Kamir Koç)
キャーミル・コチ社

キャーミル・コチは、1926年創業の老舗バス会社で、近年はヨーロッパ最大のバス会社と提携するなど、拡大を続けています。メトロ・ツーリズム社よりも設定路線と本数は少なめですが、老舗ならではのサービス力には定評があります。乗務員の対応もさわやかで品がよく、料金設定も安価。日本人個人旅行客にもおすすめのバス会社です。

※近年、キャーミルコチは事故が連続して発生中。(2023/06/29追記)

アリ・オスマン・ウルソイ(Ali Osman Ulusoy )
アリ・オスマン・ウルソイ社

黒海東部で最大の都市であるトラブゾンを拠点にするアリ・オスマン・ウルソイは、富裕層や欧米からの観光客から支持されるバス会社です。バス車内設備はもちろんのこと、サービスの質も一番洗練されています。料金設定はやや高めで路線もそれほど多くはないウルソイですが、選んでおけば間違いないバス会社です。

パムッカレ・ツーリズム(Pamukkale Turizm)
パムッカレ・ツーリズム社

パムッカレ・ツーリズムは、エーゲ海地方やイズミルを拠点とするバス会社です。チケットの値段はメトロ・ツーリズム社などと比較すると少し高めですが、サービスには定評があり、個人的に最もおすすめするバス会社です。エーゲ海地方を拠点とするバス会社だけあって、夏はアイスクリームを無料提供しています。夏のヴァカンスで訪れた外国人観光客も多く利用するバス会社で、洗練された乗務員にも注目です。

チャナッカレ・トルワ(Çanakkale Truva)
チャナッカレ・トルワ・ツーリズム社

チャナッカレ・トルワは、トロイ遺跡でお馴染みの、エーゲ海地方のチャナッカレに拠点をおくバス会社です。限られた路線での運行となる地方のバス会社の一つですが、乗務員の対応が温かく、サービス提供にも定評があります。現地ガイドおすすめのバス会社です。

サフラン・ツーリズム(Safran Turizm)
サフラン・ツーリズム社

黒海地方の世界遺産サフランボルがあるカラビュクに拠点をおくサフラン・ツーリズムは、イスタンブール・アンカラ⇔サフランボル間の路線をメインに走ります。カラビュクではなくサフランボル旧市街まで行くバス会社は限られているため、地元企業のサフラン・ツーリズム利用がおすすめです。

ネヴシェヒル・セヤハット(Nevşehir Seyahat)
ネヴシェヒル・セヤハット社

カッパドキアの中心都市ネヴシェヒルを拠点とするネヴシェヒル・セヤハットは、バス設備とサービス品質ともにすぐれています。ネヴシェヒルと各地を結ぶ路線を多く走らせていて、ローカルバス会社とは思えない質の高いサービスを提供し、外国人観光客からも支持されるバス会社です。

価格とサービス
車内設備
パムッカレ・ツーリズム

車内設備については、日本の高速バスとほぼ変わりません。足元の広さ、モニターやWi-Fiや充電コンセントなどの設備面は、値段にほぼ比例します。トルコのバスは、ベンツやヒュンダイ社製が多く、整備されていて安全で内部も清潔で、エアコンもきいています。昼行バスでは、コロンヤ(手指の消毒)から始まり、お菓子やチャイなどのドリンクサービスまで、繰り返し繰り返しまわってきます。パムッカレ・ツーリズムでは、夏限定でアイスクリームも配布。スナックやドリンクが不要の場合は、断って構いません。トルコの都市間バスでは、おおむね下記の設備が利用できます。

座席2+1、2+2
Wi-Fi
TVモニター
充電コンセント
イヤホン
ドリンクとおやつ
コロンヤ/お手拭き

※2021年8月まで当サイト調べ

SAでの休憩
サービスエリア

数時間に1回ほど、サービスエリアで休憩ができます。おおむね、15〜40分ほどの休憩時間です。長い休憩時間の場合は、ランチやディナータイムであることが多く、サービスエリア内のレストランで、食事や、お土産の購入が可能です。もちろん車内でゆったりしていてもかまいません。ほとんどの場合は、トルコ語のみのアナウンスで、集合時間の掲示もありません。乗務員も休憩に出てしまう前に、出発予定時間を乗務員に確認することをおすすめします。トイレは有料で、大きいお金は嫌がられますので、硬貨を持っておくと便利です。また、パソコンやカメラなどを含め貴重品は必ず持ってでてください。

予約する
パムッカレ・ツーリズムの代理店/パムッカレ村

予約や発券は、WEBサイトまたは電話現地代理店バスターミナル内のカウンターで行います。一括比較ができるWEBサイトNeredennereye/Obilet)なら、時刻や運賃、車内設備を一覧で確認・予約できます。クレジットカード番号の入力が不安な場合は、確認後、お目当てのバス会社が運営しているWEBサイトで直接予約することもできます。大型連休やヴァカンス期間は満席になることがあるため、早めに予約をしましょう。空席があれば、バスターミナルで当日予約も可能です。

男女が隣席にならない
Obilet.com

トルコでは、宗教・文化・倫理上の理由で、隣席は同性と定められています(カップル・夫婦を除く)。予約する際に予め性別を入力します。例えば、残1席で、その席が男性の隣だった場合は、女性は予約できません。逆にいえば、男性の隣は男性ということになるので、体格の良いトルコ人男性の隣は、日本人男性には少しキツイことがあるようです。

降りるバス停とセルビスの有無を確認
トルコの高速を走るバス

バスターミナルは、中心部から離れていることが多いため、特に夜間に到着する場合は注意が必要です。乗務員やチケットカウンターで、バスターミナルから中心部までセルビス(Servis)があるか確認しましょう。セルビスとは、サービスのことで、バスターミナルから中心部まで無料送迎をしてくれるサービスのことです。

サフランボル行きで経由するカラビュク・バスターミナル

また、訪問予定都市が、バスの最終目的地ではなく途中経由地の場合、誤って手前のバスターミナルで下車することがないように注意したいものです。トルコ語でしかアナウンスがないため大変わかりづらく、乗務員や近隣のトルコ人に確認してから下車することをおすすめします。また、バスターミナルではなく、主要道路などに設けられたバス停でおろされることがあります。徒歩で数時間かけて歩かねば…、といったようなことがないよう、不安な場合は、降りるときに乗務員に確認しましょう。

バスターミナル
アンカラのバスターミナル・通称アシュティ

バスターミナルは、トルコ語でオトガル(オートガレージの略:Otogar)や、ガラジュ(ガレージの意味:Garaj)テルミナル/テルミナリ(ターミナルの意味:Terminal)とよばれ、いずれもバスターミナルの意味です。近年では続々とリニューアルされ、大型化するバスターミナルが増加傾向にあります。小さなカフェや食堂、土産物屋などが併設されていて、チケット販売所もあります。主要都市のバスターミナルは空港並みに広い施設で、各地方都市へのハブの役割を果たしています。イスタンブールのエセンレル、アンカラのアシュティ、イズミルのイゾタシュの三大バスターミナルは、機会があれば、ぜひ見物しておきたいものです。

※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。

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