夕日と朝日の名所！不思議な神殿ネムルット・ダー | トルコ世界遺産

TÜRK AŞIĞI
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公開日 2021年9月30日最終更新日 2023年9月20日

概要

巨大な石像の頭が転がる遺跡があるのは、メソポタミア地方で最も高い標高2206ｍのネムルット・ダー（ネムルット山/Nemrut Dağı）です。1987年にユネスコ世界遺産リストに登録されています。

紀元前109年～紀元後72年までの間にこの地方を支配していたコンマゲネ王国によって造られた遺跡です。コンマゲネ王国は、東西文明のちょうど中間に位置していたため、四方から攻撃されやすい不利な地理的条件でしたが、繁栄を誇っていたとされます。コンマゲネ王アンティオコス一世は、後世に自分の名を残したいと、神殿とともに自身の墓をつくるよう命じました。山頂まで6トンもある石を一体どのようにして運んだのか、いまだ解明されていないようです。

コンマゲネ王国は、アケメネス朝ペルシアの王であるダレイオス一世と、アレクサンダー大王の血統を継ぐとされる、ミトリダテス一世によって建国されました。コンマゲネ王国が支配していたのはほんの2世紀ほどで、初めのうちはうまく付き合えていたローマ帝国との関係もやがては崩れていき、属州となったのち、ローマ帝国が徹底的に街を破壊、王国は消滅してしまいます。

アンティオコス一世の治世は、紀元前62年〜32年頃とされ、この頃が王国の最盛期であったようです。ネムルット山に埋葬されたと思われるアンティオコス一世の墓は、未だ見つかっていません。Netflixのドラマ『アティエ』では、ネムルット山と王墓が神秘的な場所として登場します。

3つのテラス

ネムルット山の山頂には、北・東・西と、3つのテラスがあります。朝日鑑賞には東側、夕日鑑賞には西側テラスがおすすめですが、それぞれで異なった石像を見ることができます。

夕日鑑賞の名所となる西側テラスには神殿はないものの、保存状態の良いライオンとワシの像に出会えます。その中央にある北側テラスは、石板があるだけで少し寂しい雰囲気。ツアーでは、ぐるっとまわる時間はあるので、体力に余裕があれば訪れたいところです。ネムルット山のメインは、神殿がある東側テラスです。この山の中には王墓があるとされていますが、いまだ発掘されていません。埋葬品の発掘とともに、歴史の解明が待たれます。東のテラスと西のテラスを結ぶこの道沿いにも、巨頭がゴロゴロ落ちています。

巨石をどう運んだのか？

高さ10メートル、重さ6トンもある岩を積み重ねて、神殿と王墓は造られています。当時、どのようにしてこれらの岩を運んだのかは、未解明のまま。この巨石は、神殿に並べられていた石像でしたが、地震によって倒壊し現在のように散乱したようです。元々は、神々と王の像は横並びで配置されていたことから、コンマゲネ王の権力の強大さを示す目的であったことがよくわかります。

サンライズまたはサンセットツアー

ネムルット山のツアーがとても人気な理由は、早朝と夕方に赤く染まる石像のほかにも、ネムルット山頂から眼下に広がる雄大な景色にあります。

ユーフラテス川のダムがオレンジ色に染まる風景も、北メソポタミアの大地が赤く染まる様子も、一生に一度は見ておきたい景色です。ツアーでは、早朝、陽が昇る前にホテルを出発し、ツアーバスでネムルット山へと向かいます。ちょうど日の出時刻に到着するよう計算されたツアーなので、晴れていれば、山頂で壮大な朝日を眺めることができます。2000年もの間、巨頭たちが見てきた神聖な朝日を、ぜひとも見ておきたいものですね。

基本情報

住所	Nemrut Dağı:Kayadibi,Kâhta, Adıyaman,Türkiye
営業時間	04:00-20:00
料金	25TL ※送迎つき料金（2021年現在）
ミュージアムカード	ー
その他情報	ネムルット山観光は4月～9月までの間がおすすめです。標高2000メートルを超える山なので、夏であっても少し厚手の羽織るものを持参しましょう。バスを下車後、テラスまで10分以上歩きます。
公式サイト	https://kvmgm.ktb.gov.tr/TR-44428/nemrut-dagi-adiyaman—kahta.html
アクセス	最寄りはアドゥヤマン（Adıyaman）のカフタ地区（Kahta）です。地区の中心部にオトガルがあります。滞在ホテルから送迎つきのツアーに参加申込みができます。（※要事前確認）。 [地図]
特典・クーポン	ー