
ヴァン観光の目玉!アクダマル島と聖十字架教会
公開日 2025年7月31日 最終更新日 2025年7月31日
概要

ヴァン湖に浮かぶアクダマル島はヴァン観光になくてはならぬスポットです。アクダマル島とヴァン湖周辺は、キリスト教を世界で初めて国教としたアルメニア王国の一部で、独立した王朝を築いたヴァスプラカン王国の支配地域であり、重要な拠点でもありました。

9世紀から10世紀にかけて、アルツルニ家がこの地域を支配し、特にガギク1世の治世下で文化と建築が黄金期を迎えます。

そのガギク1世が設計に関与したとされるのが、島で一番の見所となる、アクダマル聖十字架教会(Kutsal Haç Kilisesi)です。 島には教会のほかに宮殿、修道院、市場、港なども整備されていたそうです。
聖十字架教会

アルツルニ王朝のガギク1世の命により915年に建設が開始され、921年に完成したアルメニア教会。噂によると、イエス・キリストが磔刑になった際の十字架(True Cross)の一部を収蔵するために建設されたとか。

それを事実と証明するものはなく、その聖遺物の所在も不明なので、現時点では噂にすぎないようです。この教会は、アルメニア建築の傑作とされ、黄金期を迎えた王朝の、芸術への関心と平和志向の象徴とされます。

ガギク1世の死後、王国は衰退し、1021年にはビザンツ帝国の一部として吸収されました。

教会は2010年に修復された後、95年ぶりに教会が開かれ、年に一度、ミサが行われるようになりました。 ミサはアルメニア正教会の司教代理によって主宰され、国内外から信者が集まるのだそう。

2014年には、ギリシャ正教会やアッシリア正教会の指導者も参加する合同ミサが行われ、歴史的な出来事と報道されていました。凄惨な歴史を思えば、胸が熱くなります。
教会のレリーフが語る物語

聖十字架教会の外壁には、旧約聖書の物語や聖人の逸話が浮かし彫りで描かれていて、聖書に詳しくない素人目にも大変に傑作です。

これらは単なる装飾ではなく、アルメニア人の信仰と世界観を刻んだ物語になっています。

特に有名なものは下記です。
アダムとイヴ
イヴの腹部が膨らんでいるのは、すでに実を食べたことを象徴しています。
ダビデとゴリアテ 少年
ダビデ(後に王となるユダヤの英雄)が巨人ゴリアテを倒す場面。力ではなく信仰と知恵の勝利を表します。
預言者ヨナ
海に投げ込まれ、魚に飲み込まれる場面。神の意志に従うことの重要性を示します。
聖ダニエルとライオン
神に守られたダニエルがライオンに襲われず、逆にライオンが足を舐める場面。
フレスコ画

内部のフレスコ画は雨漏りなどで傷んでいますが、トルコ石由来の青色顔料は比較的よく残っています。 教会の周囲を歩くと、逃げ去る野ウサギに出会えるかも。
展望台

アクダマル島に到着後、下船して「展望台/Seyir Tepesi(Terası)」の案内板に沿って歩きます。

聖十字架教会はその途中にあります。フェリーが到着するとみんなが同じタイミングで教会に向かい混雑するので、先に展望台に行くという方法もあります。

立ち寄ったことはありませんが、確かCOFFEEの看板もあったと思います。

晴れていれば、展望台からは湖越しのアルトス山を見ることができます。

ちなみに、アルトス山を正面近くで見るとこんな感じ。トルコの穏やかな村はすごくいいです。英語さっぱり通じませんが…。
基本情報
住所 | Akdamar Kutsal Haç Kilisesi:Yalı Mahallesi, Van Kalesi 1. Sk. İpekyolu – Van Turkiye |
営業時間 | 8:00-19:00 |
料金 | 15TL |
ミュージアムカード | 可 |
その他情報 | ・フェリーについてはこちら。 |
公式サイト | https://www.akdamarkilisesi.gov.tr/ |
アクセス | フェリー下船後、展望台の看板どおりに進むと、途中に教会あり。フェリー下船に合わせて混雑するので、先に展望台まで登っても◯。 [地図] |
特典・クーポン | ー |
ギャラリー
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