世界最大のモスク!ブユックチャムルジャ・モスク
公開日 2021年9月26日 最終更新日 2023年6月12日
概要
2019年3月、イスタンブールで最も高い丘であるチャムルジャの丘に、世界最大のモスクとなるチャムルジャ・モスクが完成しました。基礎工事が始まったのは6年前で、2億9,000万ドルをかけて建設されました。オスマン帝国お抱え建築士であったミマール・シナンのデザインをベースにしてミナレット、ドーム、アーチ部分を建設しながらも、現代風な光と色使いと最先端の建築技術で造られたモスクは、新古典主義の建築とよばれ、外観も内部も大変迫力のあるモスクです。
内部は、青い絨毯と青いドームと青い光に埋め尽くされていて圧巻です。確かに、アーチ部分はシナンの建てたモスクと同じデザインです。絨毯もこのモスクのために特別にあしらえたものなのだそうです。
モスクの礼拝堂のほかにも、博物館や美術館、図書館や会議場が併設され、広い駐車場も完備。この辺りは、オスマン帝国伝統の複合施設と同様です。約63,000人が一度に祈ることができる広さです。2つのテラスがついた2本のミナレットと、3つのテラスがついた4本のミナレットの計6本のミナレットがあります。また、世界最大のメインドームと、トルコ建国に至るまでに経た16の国や帝国をあらわす16個のドームと、そのドームの下には16のアッラーの名前が記載されているそうです。
チャムルジャの丘について
このモスクや隣接する電波塔の建設にあたって、大きな反対運動が起きました。チャムルジャの丘に残された自然を壊し、ボスポラス海峡からの景観を破壊し、最も高い丘の上に世界最大のモスクを建設する必要性の有無について、トルコ国内はもとより、UIA(国際建築家連合)や国際社会を巻き込む論争が巻きおこったのです。結果としては無事にお披露目に至ったわけですが、自然や景観を壊しながらも丘の上にモスクを建築するという文化は、現代に始まったことではありません。
イスタンブールには、東ローマ帝国時代に計画されたローマを真似た7つの丘があるとされ、それぞれに教会やモスクが建てられています。このモスクが建てられたブユック・チャムルジャの丘は、アジア側ユスキュダル区のさらに奥にあって、古から受け継がれる7つの丘には含まれていません。その丘に今回、世界最大のモスクを建設したわけです。
チャムルジャの丘は、実は2つあります。面積の大きい方がブユック・チャムルジャの丘で、小さい方がキュチュック・チャムルジャの丘です。ブユックが”大きな”という意味で、キュチュックとは”小さな”という意味があります。キュチュック・チャムルジャの丘には、2021年5月から利用開始されているチャムルジャタワーがあります。
以前、このチャムルジャの丘には、上の写真のように電波塔が多数建てられていましたが、チャムルジャタワーが完成後は、電波塔はすべて撤去され、2つの建物が対峙するように建っています。これらのスポットは、ボスポラス海峡クルーズに乗船すると、ベイレルベイ宮殿や7月15日殉教者の橋(旧:ボスポラス海峡大橋)越しに見ることができます。
さらに、この丘から見る景色もおすすめです。昔からこの丘は有名なデートスポットで、ここから眺める夜景は本当に格別です。新市街にあるガラタ塔から見る夜景や夕景にも負けていません。丘の上にはレストランやカフェもあるので、晴れた日の夜は、タクシーで訪れてみるのもいいかもしれません。カップルのみならず、家族連れにも人気のスポットです。
夕日に輝くイスタンブールも、ライトアップされたイスタンブールも、特別な景色。ヨーロッパとアジア、両大陸にまたがる世界唯一の街であるイスタンブールは、美しいだけでなく、深く心と記憶に刻み込まれる景色になります。
基本情報
住所 | Büyük Çamlıca Camii:Ferah Yolu Sk. No:87 Üsküdar,İstanbul,Türkiye |
営業時間 | 9:00-21:00 |
その他情報 | ー |
公式サイト | ー |
アクセス | 地下鉄は2023年に開通予定です。 ・M14開通前:市バス: 11, 11BE, 11C, 129T, 522乗車または、ミニバス:C-76乗車 ・M14開通後:地下鉄M4のAltunizade駅からM14に乗り換え、Çamlıca Camii駅下車。 [地図] |
特典・クーポン | ー |
ギャラリー
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