トルコから海外旅行へ!?北キプロス・トルコ共和国
公開日 2021年8月3日 最終更新日 2023年6月30日
地図
※北キプロスは、トルコ国内の地域には属しませんが、当サイトでは便宜上の理由により、地中海地域に分類しています。
概要
キプロス島は、地中海に浮かぶギリシャのリゾート地です。北キプロスには、シェークスピアの『オセロ』を生んだオセロ城があるなど、地中海リゾートを満喫できるスポットがあります。
さまざまな国の支配を受けてきたキプロスですが、近年では、1983年、キプロス紛争を経て、キプロス島の北側の住民は一方的に独立を宣言し、北キプロス・トルコ共和国(Kuzey Kıbrıs)(略:TRNC,トルコ語:KKTC)を樹立しました。しかし、日本を含め、トルコ以外の国は北キプロスを国家として認めていません。島を二分する国連緩衝地帯がおかれ、いまも国連平和維持軍の監視下にあります。境界線で出入国手続きは必要なものの、観光客は問題なく旅することができ、治安も良好。
ただし、南キプロス側には、アメリカ軍が配備につくなど、いつだって不穏な雰囲気。また、トルコ経由で北キプロスへ渡ることはできますが、現地の状況は不安定です。特に、境界線を超えて南キプロスへ渡ることを計画している場合は、可否を含めて、予め、在キプロス日本国大使館へご相談ください。
※当サイトでは、あくまでトルコ⇔エルジャン空港、または、アランヤやメルシン港⇔ギルネやガージマーウサ港の条件にて入国することを想定して記載しています。南キプロスからTRNCへ入国する場合、宿泊不可、TRNCからの第三国出国不可などの重要な入国条件がありますので、ご注意いただき、必ず在キプロス日本国大使館へお問合せください
※シェンゲン協定加盟国(日本含む)は、3ヶ月以内の滞在はビザは免除され(※)、パスポートの残存期間や最長滞在日数などの入国に関する諸条件は、トルコと同じようですが、入国前に必ずTRNC外務省の公式サイトをご覧ください。
キプロス紛争の結果…
キプロスには元々、ギリシャ系キプロス人とトルコ系キプロス人が住んでいました。話す言葉が違うものの、仲良く暮らしていました。ところが、1960年代に就任した大統領が、トルコ系住民に不利な法整備をしたことを機に、トルコ系住民と本国トルコが反発。トルコ系国会議員の死亡し、クーデターが起こります。ギリシャ系住民側にはギリシャ国軍が、トルコ系住民側にはトルコ軍が介入し、戦火の中、トルコ系住民は北へ、ギリシャ系住民は南へわかれて住むことになります。1975年、北キプロス・トルコ共和国の樹立が宣言されるも、国連をはじめ各国は認めませんでした。トルコ系キプロス人は人口の11%とされ、トルコ本土からの移住者は、北キプロス人口の30~40%を占めます。両国の間には、グリーンラインとよばれるボーダーがあり、二国間を跨いで旅すると、戦争が終結していないことを目の当たりにします。
キプロス共和国はEUに加盟し、経済的に潤っていて、北キプロスとは差がある状況です。対する、昔ながらの温かみある人や風景がある北キプロスとでは、どちらが幸福であるか考えさせられます。その後、幾度かの統合の交渉が続けられていますが、トルコ軍の駐留をめぐり交渉は難航していることや、住民投票の結果、南キプロス側の半数以上が統合に反対するなど、未だ再統合は実現していません。現在は、どちらの市民も買い出しなどで容易に境界線を越えて行き来し、平和で、治安良好です。
旅するさいに注意したいこと
北キプロスへの入国は、飛行機または船となり、デイリーで就航しているフライトのほうが、計画を立てやすく、おすすめです。トルコのメルシンとアランヤから船便が就航しているものの、こちらはデイリーではないため、数日の滞在が必要です。また、出港時刻や到着時刻が遅延することがあるため、計画に余裕が必要です。
北キプロスからキプロス共和国へ越境は簡単にできます。パスポートコントロールがある検問所で、パスポートを見せるだけ。北キプロスは国として認められていない為、このスタンプがあると、後々の出入国に影響が出ることがあります。そのため、出入国スタンプは押印せず、別の紙に押してくれる仕組みをとっています。
※越境する場合、現地にて様々な制限が発生することが多々あります。事前に、可否を含めて、北キプロス日本国大使館へご相談ください。
旅のプラン
トルコから北キプロスへのフライトは、ターキッシュエアラインズやペガサス航空が主要な都市からデイリー運行しています。または、トルコから北キプロスのギルネ港またはガージマーウサ港まで、メルシンまたはアランヤ港からフェリーが出航しています。デイリー運行ではないため、キプロスにて数日以上の滞在が必要となります。
アランヤ〜ギルネ港のフェリーについて
アンタルヤ市アランヤ港から北キプロス・トルコ共和国(キプロス島)への高速船は、2/3/6泊の往復で販売されています。ビザやパスポートの残存期間の条件はトルコ入国と共通のようですが、詳細はTRNC外務省の公式サイトを御覧ください。または、チケット購入時にご確認ください。
航路 | 運行日 | 乗り場 |
---|---|---|
アランヤ〜ギルネ | 金曜日/月曜日発 | アランヤ・アリダシュ港桟橋/Alanya Alidaş Liman İskelesi ※レッドタワー隣 |
ギルネ〜アランヤ | 木曜日/日曜日発 | イエニ・ツーリズム港/Yeni Turizm Limanı |
メルシン〜北キプロスのフェリーについて
メルシン市タシュジュ/Tasucu港からは、北部ギルネ(ケリネイア)/Girne港行きのフェリーと、東部ガージマーウサ(ファグスタ)/Gazimağusa(Mağusa)行きのフェリーがあります。夜行フェリー/ViaMareがメインとなり、週末には、2時間で到着する高速船Akgunlerが運行されるようです。
航路 | 運行日 | 乗り場 |
---|---|---|
タシュジュ〜ギルネ/ガージマーウサ | 火・木・日曜日 | セカ桟橋/Seka Limanı |
ギルネ/ガージマーウサ〜タシュジュ | 月・水・金曜日 | イエニ・ツーリズム港/Yeni Turizm Limanı ガージマーウサ港/Gazimağusa Limanı |
※最新の情報や料金については、Akgünler Denizcilik公式サイトをご覧ください。
※船会社のオフィスにて乗船手続き後、桟橋にて乗船となるため、先に、メルシン市内にあるオフィスへ立ち寄る必要があります。
主な観光都市
上記都市以外のスポット
基本情報
アクセスと交通 | 飛行機/フェリー |
空港 | 【北キプロス】エルジャン空港/Ercan havalimanı 【キプロス】ラルナカ国際空港/Cyprus Larnaka International Airport ※エルジャン空港から各都市へ空港リムジンバスあり。 |
フェリーターミナル | ギルネ港/Girne Turizm Limanı ※アランヤから週2日程度運行 ガージマーウサ港/Gazimağusa Limanı ※メルシンから週3日程度運行 |
エリア内の交通 | バス/コンボス(Kombos) ※都市間バスとバスターミナルあり ※コンボスはキプロス版のドルムシュで、白またはクリーム色のミニバス。ただし、個人所有で、ルートは決められている。乗り方はトルコと同じ |
動画 | ー |
公式サイト | http://turizmtanitma.gov.ct.tr/tr-tr/ https://www.visitncy.com/ |
その他情報 | ー |
ギャラリー
記事一覧
※参照元:Pegasus Airlines
※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。