イスタンブール最古の修道院 | ゼイレッキ・モスク
公開日 2021年10月22日 最終更新日 2023年6月12日
概要
イスタンブールの角湾を望むゼイレッキの丘にあるゼイレッキ・モスクは、ビザンチン時代の教会を改築したモスクです。「宇宙全能の神」を意味する、パントクラトール修道院教会だった建物は、ビザンチン時代の1124年頃、皇帝ヨハネス二世コムネスの妻アイリーンによって建設され、彼女の死後に完成しています。建設当時は、レンガで建てるのが一般的でした。損害を受けたものの、一部は当時のレンガ造りに修復されています。ビザンチン時代に建築された修道院としては、最古の修道院であり、アヤソフィア・モスクに次ぐ歴史ある教会として知られていて、ユネスコ世界遺産リストの”イスタンブールの歴史地域”にも含まれる建築物です。
モスクの、正面向かって右側のレンガ造りになっている部分は、ユネスコの協力を得て修復されたものです。壮大で大きな修道院ながら、全体的に統一感がないように感じさせるのは、建物が元々、パントクラトール、大天使ミカエル、聖母マリアと、3つの修道院で構成されていたからです。内部に敷かれた絨毯の下は大理石の床でしたが、残念ながらそれらは残されておらず、見ることができません。修道院は、婦人科や内科の病床を持つ病院、図書館、高齢者施設、薬局などが併設され、財団として活動していました。ユネスコ世界遺産リストには、これらの周辺にあった木造建築の複合施設も含まれます。
オスマン帝国皇帝メフメト二世がイスタンブールを征服した後は、神学校として利用されていました。神学校の教授が「モッラ・ゼイレッキ・メフメド」と呼ばれていたことから、ゼイレッキ・モスクと呼ばれるようになりました。また、オスマン帝国に征服されたさい、ビザンチン帝国時代の主教はヴェネツィア人で、教会が保有していたアイテムや、建築材料など、そのほとんどがヴェネツィアに持ち出されています。1766年の地震で大きな損傷を受け、1953年頃から修復を繰り返し行ってきていて、最近では2009年から2018年までの間に修復されたのですが、修復前はひどく荒れていたことから、「灰から蘇った奇跡のモスク」などと噂されているようです。
基本情報
住所 | (Molla)Zeyrek Camii/Pantokrator Manastır Kilisesi:Zeyrek, İbadethane Sk. No:2,Fatih,İstanbul,Turkiye |
営業時間 | ー |
その他情報 | ・現役のモスクのため、規制あり |
公式サイト | https://islamansiklopedisi.org.tr/zeyrek-kilise-camii |
アクセス | ウンカパヌ(Unkapanı)バス停から徒歩すぐ。 [地図] |
特典・クーポン | ー |
ギャラリー
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