イスラムだけどOK!トルコのお酒とマナー
公開日 2021年8月9日 最終更新日 2023年10月27日
概要
イスラム教では飲酒がご法度であり、国民のほとんどがイスラム教スンニ派のトルコでも例外ではありません。食料品に比べると、お酒の値段も決して安くはありません。ですが、建国の父アタテュルクによる政教分離政策のおかげで、中東諸国と比べれば規制が緩めです。街中にはメイハーネとよばれる居酒屋や、飲酒可能なレストランやバーが多数あります。イスタンブールやカッパドキアでは、欧米の外国人観光客が夜中まで旅の夜を楽しみ、ミグロスなどの外資系のスーパーでは酒類の販売もしています。お酒の種類は、ビール、ワイン、ラクとよばれる蒸留酒があり、ブランドや種類も豊富です。
ただし、あくまでも飲酒を控えるべき、とするイスラム教の国ですから、マナーは大切のようです。お酒の種類と気をつけるべき点とともにまとめました。
お酒の種類
ワイン
ワイン(トルコ語:シャラプ/Şarap)の産地は古くから、カッパドキアが産地として知られています。カッパドキアには、ユルギュップにワイナリーを持つ“TURASAN(トゥラサン)”と、ウチヒサルにワイナリーを持つ“KOCABAĞ(コジャバー)”の2大メーカーがあります。とてもフルーティで口当たりがよく飲みやすいと評判です。お酒が好きな方なら、一人でも750ml1本を飲み切れます。お値段は1,000円~3,000円ほどでお土産にも最適です。有料ですがテイスティングも可能です。観光地やバザールで販売されているきのこ岩のワインボトルは、トルコ土産の大定番です。
イスラム教の国となった今でこそワインを飲む国というイメージはありませんが、オスマン帝国以前はキリスト教の国の支配が続いていた地ですから、エーゲ海地域を中心にワイン造りが盛んでした。最近になってエーゲ海地域のウルラ地区では、古代種を復活させて造ったワイン『ウルラ・ワイン』が登場。世界的にも評価が上がってきています。ワイナリーでは、ワイナリー見学、試飲販売のほか、宿泊ホテルを併設していています。
ラク(Rakı)
トルコ生まれのお酒“ラク”は、葡萄からつくられた蒸留酒で、アルコール度数が45~50度ほどです。肝機能を活発にしてくれるアニスの香りがするので、どんどん飲み進めてしまう危険なお酒です。別名「ライオンのミルク」とよばれるラクは、メゼとよばれる前菜やメロンとの相性抜群。ラクは必ず水と一緒に提供されます。水を入れると乳白色になります。ウィスキーとほぼ同じアルコール度数ですが、ロックでは飲まないのがスタンダードです。
様々なメーカーがラクを製造販売していますが、一番メジャーなのはYENİ RAKI(イェニラク)というブランドです。クセも弱めで、初めての方には飲みやすいのでおすすめです。トルコのスーパーや土産物屋、空港の免税店で購入できます。日本でも、楽天やアマゾンでこのYENİ RAKIが購入可能です。ラクの発音は、日本語の「ラク」の発音では絶対に通じません。「ク」は、口を一文字にギュッとひっぱって発音します。恥ずかしがってるつもりはないのに、通じない場合はもちろん、指さしでオーダーしましょう。
ビール(Bira/ビラ)
トルコを代表するビールメーカーといえば、アナドルエフェス社です。アナドルエフェス社のブランド”EFES(エフェス)”はトルコを代表するブランドで、世界中で販売されています。青缶のピルスナーがスタンダードですが、スーパーにはダーク、エクストラ、ライトなどが並び、ビール好きへのお土産には最適です。味はライトテイスト。日本のビールがお好きなら物足りないかもしれませんが、ピデやラフマジュンなどの濃厚なトルコ料理にはぴったりです。
【おまけ】馬乳酒「クムズ」
お酒が好きな方にとっては、サワーな感じの乳酸飲料にしか感じない馬乳酒。アルコール濃度は1〜2%程度です。テュルク民族では古くから、神に捧げる神聖な飲み物として扱われてきたのだそうです。お店では、緑の瓶に白い液体が入って「KIMIZ」と書いてある商品です。
マナーと気をつけたいこと
ミグロスなどの外資系スーパーや、バーやメイハーネとよばれる居酒屋では提供・販売されている酒類ですが、スーパーやレストランについては、提供するか否かは店主次第で、提供していないレストランも多いのが現状です。また、路上などでお酒を飲むことはマナー違反です。特にラマダン期間(トルコ語:ラマザン/Ramazan)中は絶対にNG。お店またはホテルのお部屋で飲むようにしたいものです。
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