イスタンブール3つの帝国の要塞“イエディ・クレ”
公開日 2022年8月2日 最終更新日 2023年10月12日
概要
イスタンブール中心部の西の外れにあるイエディ・クレの丘には、3つの帝国に使われた要塞イエディ・クレがあります。イエディ・クレは”7つの塔”という意味で、ビザンチン帝国のテオドシウス皇帝時代に建てられた城壁と7つの塔がある要塞です。後期ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国と利用されてきた城壁は、トルコでも歴史ある野外博物館の一つです。
コンスタンティノープルを囲むテオドシウスの城壁は、陥落不可能と評されるほど堅固な城壁でした。ビザンチン時代に4つの塔が設けられ、さらに、コンスタンティノープルを征服したオスマン帝国皇帝メフメト二世によって3つの塔と黄金の門が建てられて、合計7つの塔になります。中でも、黄金の門は、オスマン皇帝がイスタンブールに帰還したとき最初にくぐる、とても重要な門でした。
近年の調査によって、この塔がメフメト皇帝時代に建築された147のモスクと礼拝堂のうち、最初に建てられた礼拝堂があったことがわかっていて、残されたミナレットは460年ほど前のものとされます。7つの塔は星の形に配置されており、美しくも見えますが、この要塞はオスマン帝国時代、オスマン王家の者や外国の大使たちを幽閉して処刑する場所として利用されていました。
暗い歴史を持つイエディ・クレ要塞ですが、修復作業や復元が進められ、新たな観光名所となりつつあります。1958年に補強作業が行われましたが、2017年以降本格的な修復作業に入り、2022年現在も整備や復元とともに作業が進められています。
ファティ地区発行の定期刊行物には、オスマン帝国時代のイエディ・クレ要塞の様子や、完成後の城壁と塔が掲載されています。中庭には芝生が敷き直され、遊歩道が整えられ、塔には屋根が戻り、モスクができ、その様子は見応えのある野外博物館となることがよくわかります。今は観光客があまり寄り付かないエリアですが、今後は新たな観光名所になることが期待されています。
イエディ・クレ要塞の塔の上からは、マルマラ海を行き交う貨物船や周辺の街並みが一望できます。イスタンブールならではの風景を写真におさめることができるスポットです。
基本情報
住所 | Yedi Kule Hisar:Yedikule, Yedikule Meydanı Sk. No:9,Fatih,İstanbul,Turkiye |
営業時間 | 9:00-17:00 |
料金 | 無料 |
ミュージアムカード | 不可 |
その他情報 | ・治安は少し不安定なエリアですので、注意が必要です。 |
公式サイト | https://www.fatih.bel.tr/tr/main/pages/yedikule-hisari/342 |
アクセス | イェディ・クレは、マルマライ線 Kazlıçeşme (カズルチェシュメ)駅から徒歩すぐ。 [地図] |
特典・クーポン | ー |
ギャラリー
※この記事は、ファティ区公式サイトおよびNTV Türkiyeの記事を参照して記載しています。
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