博物館好き必見!国立イスタンブール考古学博物館

公開日 2021年10月20日 最終更新日 2023年9月6日

概要

トプカプ宮殿と隣接する国立イスタンブール考古学博物館は、トプカプ宮殿からすぐの場所にありながら、ツアーにはほとんど組み込まれないため、意外と観光客が少ないスポットです。博物館や遺跡がお好きな方には、この博物館はたまりません。トルコで一二を争うコレクション数を誇る考古学博物館のほか、隣接する古代東方博物館・装飾タイル博物館も同じチケットでまわることができ、とてもお得です。3つの博物館をすべて見学するには、半日は必要ですが、先史時代から、イオニア文明、ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国と歴史を経てきたイスタンブールが誇るコレクションは必見です。

1.イスタンブール考古学博物館
イスタンブール考古学博物館

イスタンブール考古学博物館は、トルコで最も歴史ある博物館です。現在の建物が完成する前は、併設されている装飾博物館が所蔵・展示をしていましたが、コレクションが増えるに従って手狭になり、1891年6月に新築され一般公開されました。この時代にトルコで建設された建物としては、珍しい様式のものなのだそうです。オスマン帝国開国以来の遺産のほか、ネムルット・ダーやリュキア時代の棺など、100万点以上を所蔵・展示しています。

主な見どころ
リュキアの石棺
リュキアの石棺

いまだ謎の多い古代国家であり、民主主義制をとった連邦国リュキア(リキヤ)の石棺は、間近で見ると大変迫力があり、その細やかな彫刻に圧倒されます。紀元前5世紀頃につくられたものとされ、やや丸みがかったトップが美しく、石棺の上には、スフィンクスが彫られています。リュキアの古代遺跡や岩窟墓は地中海地域に点在していて、イスタンブール考古学博物館以外にもアンタルヤ考古学博物館などの一部所蔵・展示しています。

アレキサンダー大王の石棺
アレキサンダー大王の石棺

考古学博物館のハイライトともいえるのが、アレキサンダー大王の石棺です。いきいきと掘られた彫刻は、圧巻の一言。1887年にレバノンで発見されたもので、アレキサンダー大王のものかどうかはわかっていないそうですが、アレキサンダー大王の戦場での様子が描かれた彫刻であることから、その名がつけられています。石棺近くには解説画もあり、素人目にもわかりやすい展示になっています。

ティケ像
ローマ・ギリシャの彫刻コレクション

エーゲ海沿いにローマ・ギリシャ遺跡が多数残されているトルコは、大理石彫刻の宝庫です。イスタンブール考古学博物館が評価が高い理由としては、これらの素晴らしい彫刻像のコレクションにあるとされています。中でも、このティケ像や、アレキサンダー大王の立像などはとても目をひきます。旧館に入ってすぐに並ぶ彫刻類だけでも、頭からつま先まで、ゆっくりと時間をかけてまわりたいものです。

イスタンブール考古学博物館
シドンやキプロスで発見された彫刻類

3Fでは、彫刻類を中心に展示されています。中でも、ローマ時代の彫刻、キプロスで見つかった彫刻が見どころとなっています。

イスタンブール考古学博物館
4F/土器や石器

最上階には、周辺各国シリアやレバノン、キプロスで発掘された土器が並んでいます。こちらはリニューアル前の展示であり、リニューアル後は展示品や展示階が変更になっている可能性があります。

このほかにも、モザイクの床や陶器類、テクフル宮殿イスタンブールの歴史などがわかりやすく展示されています。

装飾タイル博物館
装飾タイル博物館/イスタンブール

考古学博物館を構成する3つの博物館のうち最も古く、そしてイスタンブールでも最も古い建物の一つとされるのが、装飾タイル博物館です。1427年にコンスタンティノープルを征服した皇帝メフメト二世によって建てられたもので、1880年に修復を経て開館しています。元々は、この建物が帝国博物館として利用されていましたが、それ以前は、皇帝や高官がポロ競技を見物するための建物でした。

アヤイレネ聖堂/トプカプ宮殿・イスタンブール

余談ですが、帝国博物館が完成する以前、オスマン帝国が保有していたコレクションの数々を所蔵していたのは、トプカプ宮殿敷地内にあるアヤ・イレネ大聖堂でした。現在の装飾タイル博物館には、トルコのタイルや陶器類などが展示されています。

主な見どころ
装飾タイル博物館

装飾タイル博物館は、ブルーとターコイズとグリーンのタイルを使ったイスラム芸術を見ることができます。鮮やかな色に染められた陶器類や、建築に使われたタイルなどが多数展示されています。

装飾タイル博物館

特に見どころとなるのが、この真っ青なタイルのミフラーブです。ミフラーブは、メッカの方角を示す窪みでモスクには欠かせないものです。他にも、イズニックやチャナッカレなどで製作された陶器類が多数展示されています。

古代東方(オリエンタル)博物館
古代東方(オリエンタル)博物館/イスタンブール

古代東方博物館は元々、1883年に建築された美術学校でしたが、現在はヒッタイト帝国やエジプトなどの歴史的遺物が収められています。特に、カデシュの戦いで、ヒッタイトのムワタリ二世と、エジプトのラムセス二世の間で交わされた、世界最古の平和条約が書かれた粘土板は必見です。

古代東方(オリエンタル)博物館
古代東方(オリエンタル)博物館
基本情報
住所İstanbul Arkeoloji Müzeler(Çinili Köşk Müzesi/Eski Şark Eserleri Müzesi):Alemdar Caddesi,Osman Hamdi Bey Yokuşu,Gülhane,İstanbul,Türkiye
営業時間09:00-20:00
※チケット販売は19:00まで。
料金100TL
ミュージアムカード
その他情報
公式サイトhttps://kvmgm.ktb.gov.tr/TR-44095/istanbul-arkeoloji-muzeleri-mudurlugu.html
アクセストラムヴァイT1のギュルハーネ駅またはスルタンアフメット駅下車、徒歩5~10分。  
[地図]
特典・クーポン

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