ヒュッレムとシナンの初コラボ | ハセキ・キュッリエ

公開日 2021年11月1日 最終更新日 2023年10月23日

概要

ハセキは「寵姫」、キュッリエは「複合施設」の意味です。オスマン帝国第10代皇帝スレイマンの皇后であるハセキ・ヒュッレム・スルタン(ロクセラーナ)建築士ミマール・シナンに依頼して造らせた複合施設です。トルコの大人気ドラマ『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』や、篠原千絵さんの漫画『夢の雫、黄金の鳥籠』、夢枕獏さんの『シナン』に登場するヒュッレム縁の施設であるため、ファンが多数訪れています。

ハセキ・キュッリエは、1551年にヒュッレムによって設立された“スレイマン図書館(Süleymaniye Kütüphanesi)”という名のワクフ(慈善事業団)名義で、ヒュッレムが皇后となった際の持参金で建てられました。さらに、ミマール・シナンが帝国の主任建築士に任命されて初めて手掛けた建築であることから、大変に価値が高い歴史的建造物となっています。

キュッリエとは、慈善事業のための複合施設のことをいいます。モスクに隣接して、神学校、小学校、救貧院、病院、霊廟、タブハーネ(寝泊りできる寺子屋のようなもの)、バザール(市場)、キャラバンサライ(隊商宿)などが建てられます。オスマン帝国の皇后たちが力を入れる慈善事業は、トルコ語で”ワクフ”とよばれ、それは皇后の力を示すものでもありました。

ハセキ・スルタン・モスク/イスタンブール

ハセキ・キュッリエで最も注目したいのは、ハセエキスルタン・モスクです。建設当時の1538年、ミマール・シナンは、単一のドーム、単一のミナレットで建設しましたが、後世にドームが追加され、壁が取り除かれて修復されるなどされています。決して大きなモスクではなく、壮大さはありませんが、どこか雰囲気はハレムと似ていて、見学する価値は十分にあります。

コジャムスタファパシャ地区周辺/イスタンブール

この周辺は、イスタンブールで最も古い集落の一つで、イスタンブール7つの丘うち、7番目の丘です。ハセキ・キュッリエが建設された当時、周辺には建物があまりなかったそうですが、現在は住宅や商店が軒を連ねる密集地で、コジャムスタファパシャの丘とよばれています。

基本情報
住所Haseki Külliyesi:Cerrahpaşa,Fatih,İstanbul,Turkiye
営業時間0:00-23:59
料金無料
その他情報・アクサライのヴァーリデ・スルタン・モスクや、イェディ・クレと一緒にまわるのがおすすめ。特にイエディ・クレ周辺では、治安面で少し気をつけたい。
公式サイト
アクセス最寄り駅は、トラムヴァイのハセキ駅、またはアクサライ駅です。
[地図]
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