オーデコロンは消毒液 | コロンヤ
公開日 2021年11月17日 最終更新日 2023年6月12日
概要
トルコでコロンヤは、除菌消臭やリフレッシュメント効果のあるコロンとして100年以上前から使われています。時代の波とともに、ウェットティッシュに置き換わりつつありましたが、COVID-19が流行してから再び注目され、売上が急伸長しました。トルコを旅していると、お店や乗り物の中、招待されたトルコ人のお宅などでコロンヤを勧められることが多いと思います。
トルコ人のホームパーティに招かれた時や、バスに乗車した時にまず振る舞われるのはコロンヤです。「ようこそ!」の意味を兼ねている大切なおもてなしの一つなのだそうです。近年は、コロンヤの少し強めの香りを嫌うトルコ人も多かったように見受けられましたが、幸か不幸か、COVID-19の流行によりコロンヤの必要性が再燃。特にアルコール度数の高いコロンヤを求めて連日行列し、店頭ではどこも売り切れ状態になっていたほどです。コロンヤは、清潔第一を掲げるトルコ人にとって、なくてはならない大切なものです。
起源
コロンヤの起源は、16世紀頃のドイツのケルンで誕生したオーデコロンとされます。日本では香水として知られるオーデコロンですが、当時はとても実用的なものでした。医療用消毒剤や防腐剤として使われていたほか、ペストなどの感染症にも良いとされ、官民広く利用されていたようです。トルコで初めてコロンが製造されたのは1912年頃で、トルコ第二の都市イズミルで広まり、”コロンヤ”とよばれるようになったとされます。
成分
コロンヤの成分は、アルコール、精製水、エッセンシャルオイルのみで、約80~90%はアルコールです。そのため、適切に保管すれば、最大5年間保存が可能とされています。コロンヤを手に振りかけると、スーッとさわやかな感覚がするのは、エチルアルコール成分の揮発によるためです。日本の除菌ジェルは、無色透明・無効タイプが多いようですが、コロンヤはエッセンシャルオイルのさわやかな香りが周囲にただようので、除菌のみならずリフレッシュにも効果が感じられます。
感染症予防には80度のコロンヤを
COVID-19などのウイルス除去目的でコロンヤを購入するのなら、注意したいのがアルコール濃度です。感染症予防に最も適しているのはアルコール度数が80度以上とされています。”感染症にもOK”とうたっていても、実際にはアルコール度数が60度以下だったりするため、購入前に必ず確認が必要です。
香りのバリエーション
様々なメーカーから発売されているコロンヤは、香りも種類も豊富です。最も伝統的でスタンダードな香りは、レモンです。レモン以外なら、バラ、ラベンダー、タバコといったところが代表的なラインナップです。他にも、オレンジ、ジャスミン、グリーンティー、イチジク、ライラックなどがあります。中でもタバコは、とても豊潤な香りを持っていて、強い香りを楽しみたい男女に人気があります。
また、トルコ各地の特産品をコロンヤで楽しむことができます。例えば、アンタルヤ特産オレンジ、トラブゾン特産ヘーゼルナッツ、リゼ特産チャイ、エドレミト特産オリーブ、ガズィアンテプ特産のビベル(ピーマン)やピーナッツの花の香りなどがあります。
トルコを代表するメーカー
トルコには、大小さまざまなコロンヤメーカーがありますが、主なメーカーをまとめています。
Selin(セリン)
トルコで初めてコロンヤを製造したイズミル市にあるメーカーです。地中海沿岸に沿ってそびえるトロス山脈で採れたジュニパーの豊潤な香りが楽しめるコロンヤがおすすめです。トルコ建国の父アタテュルクが、ギリシャ軍からイズミルを奪還した記念日である9月9日には、セリン・コロンヤは、大売り出しをするので、この日を狙って購入する人も多いようです。
Tariş(タリシュ)
1915年創業のタリシュは、トルコで最も伝統的なコロンヤ製造メーカーです。二昔ほど前なら、空港やお店などに並ぶのはこのタリシュのコロンヤが多かったものです。老舗ということもあり、年配者が利用しているイメージです。最もスタンダードなコロンヤを楽しみたい方におすすめです。
Eyüp Sabri Tuncer(エユップ・サブリ・トゥンジェル)
エユップ・サプリ・トゥンジェルは1923年に創業しているメーカーです。コロンヤ以外にも、石鹸、ウェットティッシュなどを含めた衛生商品を製造販売しています。どれもとても洗練されていて、センスのよさでは群を抜いて人気のあるメーカーです。
他にも、Duru(ドゥル)、Hacı Şakir Sabun(ハジュ・シャキル・サブン)、Servet(セルヴェット)などのたくさんのメーカーがあります。
コロンヤ専門店
大手メーカーのコロンヤは、ミグロスなどのスーパーでも購入できます。または、石鹸などを販売している小売店か、ドラッグストアでも販売されています。もし見つけられたら、コロンヤを量り売りをするコロンヤ専門店“Kolonyacı(コロンヤジュ)”へぜひ立ち寄ってみてください。
利用上の注意
日本でもトルコでも、一般的な手指消毒のために使われているアルコールは、エチルアルコールです。ですが、一部のコロンヤについては、エチルアルコールよりも強いアルコールが使われている場合があります。アルコールの種類によっては、手荒れがひどく、ハンドクリームも意味を成さなくなります。トルコで購入する際は箱の表示を見るか、店員に確認してから購入することをおすすめします。
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