モスクを彩るトルコブルーとチューリップブルーのタイル | イズニックタイル
公開日 2022年6月28日 最終更新日 2023年10月4日
概要
イスタンブールのブルーモスクやリュステムパシャ・モスクなど、オスマン帝国時代に建てられたモスクで見ることができる、色鮮やかなブルーのタイルは、トルコ・ブルーと称され、本当に魅力的。トルコ原産とされるチューリップのレッドもまた、とても印象深いもの。それらのほとんどは、イズニックタイルが使用されています。イズニックタイルは、現在のブルサ市イズニック区で作られたタイルで、ブルサにあるイェシル・モスクとテュルベに使われたのが起源とされています。
最盛期は15~16世紀ごろ。当時、イズニックタイルはオスマン帝国の建築において、なくてはならないものでした。白いタイルに描かれた鮮やかな青と、それらを引き立てる草花や果物の絵は、世界中で高い評価を得ました。世界中を魅了したイズニックタイルは、大英博物館など、各国の博物館が所蔵・展示していることからも、その評判の高さをうかがい知ることができます。残念なことにその後、17~18世紀頃に衰退し、陶器づくりは、キュタフヤの町に移ってしまい、イズニックタイルの文化は完全に途絶えてしまいました。
近年になり、イズニック財団はその頃に造られていた手法でタイルや陶器の製造を開始。当時のモチーフのみではなく、現代風なアレンジも加えて、芸術的な作品を展示・販売しています。食器や花瓶、タイルなど種類も豊富。イズニック財団の作品は、イスタンブールのショールームで見ることができます。イズニック市内には、あちこちに土産物屋があって、安価で購入できる陶磁器やタイルがあります。
こちらは、「イズニックタイル」として販売されているかもしれませんが、そのほとんどは、キュタフヤ産であることが多いようです。キュタフヤは現代の陶磁器の都市として知られていて、こちらも素晴らしいタイルや陶器です。しかしながら、イズニックの伝統を求めるなら、イズニック財団を訪ねてみるのもいいのではないかと思います。
ギャラリー
※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。