実はトルコが発祥!カフェ文化とトルココーヒー

公開日 2021年8月6日 最終更新日 2023年6月12日

概要

コーヒーは、エチオピアからイエメンのモカ地区へと広がり、トルコにもたらされました。現在のトルコのコーヒーは、おおまかに2種類にわけられます。コーヒー(kahve:カフヴェ)とトルコ・コーヒーTürk kahvesi(トュルク・カフヴェシ)です。トルコにスタバが進出したことをきっかけに、オーストラリアやニュージーランドなどで修行を積んだ若者たちが、おしゃれなカフェを続々とオープンさせました。特にイスタンブールでは、老若男女問わず集まる人気のカフェが増え続けています。そんな波に押されながらも、まだまだ愛され続けているのが、伝統的なコーヒーであるトルココーヒーです。

伝統的スタイルのカフェ

そのコーヒーを初めてお店で出したのは、オスマン帝国時代のイスタンブールであり、カフェ発祥の地とされます。その歴史は、今から500年程前のオスマン帝国時代のこと。統治下にあった北アフリカから皇帝にコーヒー豆が献上されたのがきっかけとされます(諸説あり)。当時出されていたのが、煎ったコーヒー豆を挽いて煮出して提供する、いわゆるトルココーヒーです。その伝統的方法は500年前から現代まで確実に受け継がれていて、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

特徴・注文・飲み方
トルココーヒー定番セット

トルココーヒーは、グラインドしたコーヒー豆を煮出して、フィルダーで濾さず、そのままカップに注ぎ入れます。そのため、出されてすぐに飲むと、口の中が粉だらけになってしまいます。粉が沈殿するのを少し待って、上澄みだけをいただきます。また、甘いコーヒーが飲みたいときは、後から砂糖を入れてかき混ぜるということができないため、最初に甘さを指定します。

旅のトルコ語

ブラック:サーデ/Sade
少し甘く:アズ・シェケルリ/Az Şekerli
普通に甘く:シェケルリ/Şekerli
すごく甘く:オルタ・シェケルリ/Orta Şekerli

※最後にリュトフェン/Lütfen(=please)をつけると◎
※「ミルクは?」と聞かれたことがないのですが、もしかしたらあるかもしれません。

出されてから、おおよそ5〜10分ほどは友人との会話を楽しみながら、粉の沈殿を待ちます。時間がたったら、上澄みだけを上手にすすりますが、どうしても口の中に粉っぽさが残ります。そんな時のために、お水とターキッシュディライトが一緒に提供されています。気になる場合は、お水やターキッシュディライトでリフレッシュさせましょう。

トルココーヒーの淹れ方
トルココーヒー

トルココーヒーは、チャイほどではないものの、各家庭でも飲まれているようです。トルココーヒーを入れるために、必ず用意すべき道具が、このジェズヴェ(cezve)です。トルココーヒー専用の小さなお鍋、といったところです。近年では、伝統的なジェズヴェに加えて、家庭で利用できる電動式のトルココーヒーメーカーが普及してきました。お茶会が多いトルコの主婦たちの強い味方になっています。

定番メフメト・エフェンディのコーヒー豆/Pexels
トルココーヒー

トルココーヒーの有名メーカーはメフメト・エフェンディ。オンラインショップではジェズヴェとのセット商品が販売されていることも。

準備するもの
トルココーヒー

・コーヒーの粉
※ジェズヴェ1つに対して、だいたい小さじ大盛1くらい
専用の粉またはエスプレッソ用のコーヒー豆<ダークロースト・細挽き>を使用
・砂糖
※なくてもOK。お好みで小さじ1程度
・ミネラルウォーター
※ミルクでもOK
・IHの場合は、ガスコンロを準備、必要に応じて五徳や網を。

作り方
トルココーヒーの淹れ方
トルココーヒーの淹れ方

1.すべてをジェズヴェに入れ、超弱火で加熱。スプーンで軽くかきまぜながら、フツフツするまで待ち、沸騰させない。
2.火からおろして軽くまぜ、再び超弱火にかける。
3.2をあと2回繰り返し、沸騰させない。
4.火からおろしてカップにそそぐ。
5.数分待ってからいただく。

コーヒー占い
トルココーヒー占い
トルココーヒー占い
トルココーヒー占い

トルココーヒーを飲み終わったら、カップに残った粉で占いをすることがあります。占いを信じない人が多いトルコ人も、一興として楽しんでいるようです。ソーサーにカップを裏返して放置しておくと、何らかの模様が現れます。その模様で、未来を占うという仕組みです。 例えば、ラクダが出てきたら、「あなたはどこかへ旅するのね」といったように。トルコには、コーヒー占いができる人がそれなりに多くいて、サーブをしている店員さんが黙ってカップを裏返し、忘れた頃に戻ってきて、突然占いが始まることがあります。

トルココーヒーのバリエーション

世界三大料理のトルコグルメにおいては、コーヒーでさえも、たった1つの種類に限られているものではありません。メルシン市でいただくコーヒーには、”タルスス・カフヴェシ”とよばれるコーヒーがあり、こちらはチャイグラスで提供されます。また、ガズィアンテプ周辺の南東アナトリア地域では、”アジュ・カフヴェシ”とよばれる、アラビック・コーヒーが提供されます。

タルスス・コーヒー/メルシン
ギャラリー

※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。

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