トルコをエリア別に紹介! | トルコのエリアと特徴とは?
公開日 2022年5月6日 最終更新日 2023年6月11日
地図
※当サイトでは、1941年にアンカラで開催された地理学会議によって決定された地域区分で、トルコの小・中・高校の教科書で掲載されている地域区分を参照しています。
※当サイトでは、トルコ各都市を「県/Province」表記ではなく、日本の官公庁で表記する「市/区/地区」に統一しています。
概要
トルコは、マルマラ海、エーゲ海、地中海、黒海と4つの海に囲まれています。マルマラ海は大都市圏、エーゲ海と地中海はリゾートエリア、黒海は四季を持つ穏やかなエリアです。
一方で、海に面さないアナトリア大陸の中央部は、大陸性気候の乾いた大地。ジョージアやアルメニアと国境を接する東アナトリアは、自然が残る豪雪地帯です。イラン・イラク・シリアと国境を接する南東エリアは、北メソポタミア文明を色濃く残します。
エリアによって、気候も特徴も変わるトルコは、老若男女とわず、あらゆる年齢層のニーズを満たす旅ができます。どのエリアでも共通するのは、豊饒をもたらす豊かな大地、多くの文明が交わった歴史と文化、親日国トルコの人々の温かなもてなしです。
地域ごとに詳しくご紹介します。
マルマラ海地域
トルコにある7つの地域の中で最も人口が多く、最も標高が低いマルマラ海地域には、アジアとヨーロッパを繋ぐ世界唯一の都市イスタンブール、ブルガリアと国境近くにあるオスマン帝国の元首都・エディルネ、緑の都と称される元首都・ブルサ、トロイ遺跡の最寄りの街チャナッカレなどがあって、観光スポットが目白押しのエリアです。
このエリアでは、自動車や医療機器などの製造業が発展し、経済の中心地です。都心から少し離れた場所には、小麦畑やひまわり畑などが広がります。黒海の湿潤さと、エーゲ海の温暖さを受けて、わりそらると過ごしやすい気候ですが、冬は厚手のコートが必要になり、雪も雨も多めになります。
エーゲ海地域
ギリシャの島々を目の前に見るエーゲ海のエリアは、トルコ第三の都市イズミルがあります。このイズミルを中心として、アイドゥン、ムーラなどの沿岸各県には、エフェス遺跡、ベルガマ遺跡、アフロディシアス遺跡などの世界遺産が並びます。また、石灰棚で有名なパムッカレもこのエリアに属しています。
地中海性気候のため一年中わりと温暖で過ごしやすく、風光明媚な海岸線沿いのエリアには、白い壁とターコイズブルーの海があり、ブルークルージングと称されるクルージングのアクティビティをしながらのリゾートステイや、別荘地としても人気のエリアです。オリーブオイル発祥の地とされ、オリーブやウルラワインに代表されるブドウの産地でもあります。また、綿の生産でも有名で、タオルやリネン類などの工業製品もお土産として購入されます。
地中海地域
冬でも過ごしやすい気温の地中海エリアは、欧州のほか、中東やロシアからの観光客が押し寄せるトルコで人気のリゾート地アンタルヤが中心です。地中海沿岸沿いには、シデ、カルカン、アランヤなどの小さなリゾート地が並びます。
地中海沿岸の東には、グルメで有名なアダナやメルシンへがあり、アンタルヤの北の内陸部には、湖沼が点在する湖水地方があります。湖水地方は、WWFにも登録されるほどに野鳥や野生の植生が豊かで、ダマスクローズの生産地ウスパルタを中心とした、ネイチャー・ツーリズムの拠点として注目されています。
黒海地域
アナトリアの北の海岸沿いを東西に長く広がる黒海地域は、雨が多く湿潤な気候で、日本とその景色や雰囲気がとても似ています。沿岸部であっても町のすぐ背後には3000メートル級の山脈がそびえており、どの町も風光明媚です。特に東に位置する紅茶の産地リゼ、グルメの街トラブゾンでは、登山や高原でのトレッキングなどのネイチャー・ツーリズムが人気です。
黒海地方の真ん中には、ヒッタイト帝国の遺跡・ハットゥシャ遺跡があるチョルムや、黒海で一番の人口を誇るサムスンが、黒海地方の東側には、世界遺産サフランボルや、皇子の町アマスヤ、イスタンブールやアンカラからのバカンス先アマスラなどがあります。
中央アナトリア地域
海に接していない中央アナトリアは、夏は乾燥して暑く、冬は雪が降り寒く、朝晩の寒暖差が大きい大陸性気候です。中心となっているのは、首都アンカラ、世界遺産カッパドキア、古都コンヤなどで、いずれもトルコを代表する観光地となっています。
各種製造業の工場が多数点在しているエリアですが、カイセリの絨毯や、アヴァノス陶器などの伝統的な工芸品類がこの地域の経済を支えています。カイセリ・マントゥ、ヨズガットの壺ケバブ、カパドキアワイン、ギョズレメなどの名物グルメも外せません。また、トゥズ湖で生産されている塩は、トルコ国内で広く使われています。
東アナトリア地域
ジョージアやアルメニアと国境を接する東アナトリアは、アルメニアのキリスト教文化を色濃く受け継ぐ教会などの遺跡群が多く残され、世界遺産アニ遺跡もこのエリアにあります。手つかずの大自然が残されたままのため、チーズやヨーグルトなどの乳製品は日本では決して食べられないほど絶品で、この地域でしか採れないはちみつは、絶対に購入すべき一品です。
また、アルメニアとの国境付近には、アララト山があり、近くの村には、ノアの方舟とされる船の形をした丘を含む自然公園があります。エルズルムやエルジンジャンには国際大会が開催されるスキー場が、トルコで最も広い湖面のヴァン湖のほとりには、両目の色が異なるヴァン猫がいます
南東アナトリア地域
イラン、イラク、シリアと国境を接する南東エリアには、世界中が注目をしている世界遺産ギョベクリテペ遺跡があるシャンルウルファ、同じく世界遺産でクルド人の街ディヤルバクル、ピスタチオ名産とするグルメシティ・ガズィアンテプ、世界遺産ネムルット山があるアドゥヤマンなど、北メソポタミア文明や旧約聖書に記される見どころが数多くあります。
古代から、チグリス・ユーフラテス川がもたらす豊かな実りを享受してきたこの地域では、グルメのほかにも、厳しい夏を涼しく過ごす石造りの伝統的な建築物など、メソポタミア文化が好きな方には、旅する魅力にあふれています。ですが、ご存じの通りの情勢不安ため、外務省では、常にレベル2~4の渡航危険情報を発出しており、なかなか訪れることが難しい地域です。トルコ政府はGAP地域として観光と開発に力を入れていて、今後の改善が期待されています。
※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。