味も香りも強めのトルコの紅茶「チャイ」でリフレッシュ! | トルコグルメ
公開日 2022年6月23日 最終更新日 2023年9月3日
概要
チャイと聞くと、インド式ミルクティーを思い浮かべる事が多いかもしれません。私の場合は特にそうで、トルコで初めてチャイを見た時「ストレートティー?」と驚き。トルコ語で紅茶は「チャイ(Çay)」とよばれ、日本語のお茶と同じく、中国の「茶」に由来しているのだとか。
紅茶の個人消費量は3kg以上と、世界第一位。毎日2億杯以上が消費されていることになりますが、その茶葉はインドなどからの輸入ではなく、すべて自国で生産されているそうです。
意外と浅い歴史
トルコと紅茶の歴史は、日本のお茶の歴史よりもはるかに浅いものです。お茶は、薬王大帝と名高い古代中国の皇帝・神農皇帝が起源とされていて、日本に伝わったのは8世紀ごろ。トルコにお茶の木の種子が伝わったのは、1787年ごろですので、わりと近年のことです。さらに意外なことに、最初の種子は日本から持ち込まれ、マルマラ海に近いブルサで栽培されましたが、お茶栽培に適した条件ではありませんでした。
ロシアが、ジョージアのバトゥミでお茶栽培に成功したことから、トルコ政府がバトゥミに近いリゼでのお茶栽培に力を入れ始めるのが1900年代に入ってからのことです。歴史的にみれば、紅茶よりもコーヒーの方が古くから親しまれていたんですね。
農薬を極力使わない茶葉栽培
トルコの茶葉は、リゼを中心とした東部黒海地域で栽培・生産されています。リゼ周辺は大変寒い地域で雪も多く降ります。厳しい冬は、病害虫から茶葉を守ってくれるため、残留農薬は一切使用ない、世界で唯一の茶葉というのが大きな特徴(出典元)。しかも、トルコの茶葉は自国ですべて消費されるため、海外輸出はほとんどされていないよう。ご旅行の際はぜひ味わっておきたいものですね。
お茶の淹れ方
チャイダンルック(Çaydanlık)とよばれる2段式のケトルを使います。下の段に水を入れて十分に沸騰させ、上の段に茶葉(2人分でテーブルスプーン1.5杯くらい)を入れたら、沸騰したお湯を上のケトルに多めに注ぎ入れて、下ケトルの上にセットして、20分ほど蒸らします。茶葉が沈んでいたらOK。
提供方法は2つ。1つは、カップに1/3ほどお茶を注ぎ入れ、お好みでお湯で濃さを調整して提供する「アチュク・チャイ/Açık Çay」、調整しない「デムリ・チャイ/Demli Çay」があります。
日本で飲むより味も香りも強い感じがします。カフェインが苦手な方(←私)は、「アチュク リュトフェン/Açık lütfen」と店員さんに伝えたら、薄くしてくれます。お店にあればアップルティー「エルマチャユ/Elma Çayı」もおすすめ。
チャイの道具たち
トルコでよく使われるくびれた形のグラスは、インジェ・ベッリ/İnce Belli、アジダ・チャイ・バルダーウ/ajda çay bardağı とよばれます。
最近では、電気ケトルも登場し、主婦の強い味方に。また、市場では、オスマントルコ風のノスタルジックで細かな装飾がされたチャイダンルックや、陶器製のかわいらしいチャイダンルックもあって、お土産にもよさそうです。二段式ケトルがない場合は、一般的なケトルの蓋を取り、ティーポットを載せて代用できます。茶こしを使いグラスに注ぎます。
ティーガーデン「チャイ・バフチェシ」
トルコには、チャイを出す専門店が数百メートルに一軒あるんじゃないかと思えるほどにあり、チャイ・バフチェシ/Çay bahçesi とよばれます。例えば、グランドバザールにも複数のチャイバフチェシがあり、値段交渉中などに店員さんがチャイバフチェシに注文すると、瞬く間にチャイが運ばれてくることに、驚く方も多いはず。
一杯15リラ/80円(202年8月現在)ほどのチャイですが、味と香りにリラックスできる、トルコ文化には欠かせない飲み物のようです。
チャイクル社
スーパーに並ぶ茶葉のメーカーや種類は多数あり、どれを選んでいいか私たち旅行者にはわかりづらいものですね。おすすめは色々ありますが、例えば、メーカーのひとつであるチャイクル社(Çaykur)は、元国有企業で、市場シェアは60%。「トルコの本当のお茶」をスローガンに掲げ、緑茶や、ティーバッグのラインナップも豊富なので、お土産に購入しやすくおすすめです。
参考サイト:伊藤園/お茶百科,,Rize ,Çay Araştırma Ve Uygulama Merkezi
ギャラリー
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