
ヴァンのバター、チーズと「世界一の朝食」ヴァン・カフバルトゥス
公開日 2025年7月31日 最終更新日 2025年7月31日
ヴァンと東アナトリア地域の乳製品

東アナトリア地域では、バターやチーズなどの乳製品や蜂蜜が名産品です。トルコでも放牧された無添加の牛や羊の乳製品はなかなか手に取りづらくなっていますが、東アナトリアのほぼ手つかず大自然と、羊飼いや酪農が盛んなこの地域ではまだそれが可能です。

Köy Tereyağı(村のバター)やYayık Tereyağı(チャーンバター)と呼ばれるものは、自然環境で育った牛や羊の乳から作られ、添加物なしの純粋なバター。
香り高く濃厚な味わいが特徴です。消化を助け、免疫力を高めるとされる栄養価の高い食品と地元では言われています。

ヤユクバターは、ヤユクとよばれるチャーンで撹拌して作ることで、通常の市販品に比べて、格段に風味が豊かになります。

ヴァン市内にあるTarihi Peynirciler Çarşısı(歴史あるチーズ市場)などでは、バターはチーズや蜂蜜と並ぶ人気商品として販売されています。お土産で持ち帰るのはおすすめです。
(農林水産省:携帯品としての乳製品持ち込みについて)
ヴァンの朝食

家族みんなでたべる朝食に重きをおくトルコでは、様々な種類のチーズ、オリーブ、ジャム、新鮮な野菜(キュウリ、トマトなど)、卵料理(メネメンなど)、スジュク(ソーセージ)、バゲットやシミット、そしてチャイがきちんと朝食の定番です。

自然豊かな村でいただく朝食はどこも最高ですが、中でも、その名で特許を取得しているヴァンの朝食(ヴァン・カフバルトゥ/Van kahvaltısı)は、レベルが違います。
「世界一の朝食」といわれるほど、その朝食文化が大変に豊かで、多種多様な地元の食材が並ぶのが特徴です。

元々は、朝の祈りのあと、庭で朝食を食べ出かけるという文化があったそうです。そこから庭で皆で朝ごはん食べよう、の素晴らしい文化になったのだとか。
ヴァン市では、6月の第一日曜日を「世界朝食デー」とし、ヴァン朝食の文化を世界に広める活動をしているそうです。
代表的なヴァン・カフヴァルトゥのメニューをご紹介します。
Van Otlu Peynir (ヴァン・オトル・ペイニル)
ヴァン朝食の一番の目玉はこのチーズ。写真中央にある緑の何かが混入しているものです。ヴァンの羊のミルクに地元産の野生のハーブを混ぜて作られるチーズで、土中に埋めて熟成させる伝統的な方法で作られることもあります。
Bal-Kaymak (バル・カイマック)
写真右上と左下にあるもので、蜂蜜と水牛のミルクから作られる濃厚なバタークリーム 「カイマク」の定番の組み合わせで、ヴァンではクルミと一緒に提供されることが多いです。
Kavut (カブット)
この写真のオトゥルチーズの上にある茶色のものがカブットです。炒ったトウモロコシ、小麦、ごまペースト、ナッツを混ぜて作るヘルヴァのような甘いデザート。
Murtuğa (ムルトゥーア)
オトゥルチーズ下にあるのがムルトゥーアです。小麦粉をバターで練って作られるパンケーキ風のもので、はちみつまたはジャムをつけていただきます。
Yayık Tereyağı (ヤユック・テレヤウ)
昔ながらの方法で撹拌して作られるバター。パンにつけたら、それだけで贅沢品。
Örgü Peyniri (オルギュ・ペイニリ)
編み込みされるフレッシュチーズ。カットして提供されます。
レストラン

街中で朝食を提供するレストランは60もあるそうです。私のおすすめをいくつかご紹介します。
1. Bedesten Kürtür Evi
オープンして間もない、街中で評判の良い朝食レストランです。 雰囲気がおしゃれでインスタグラマーにも人気。[地図]
2. Bak Hele Bak Yusuf Konak Kahvaltı Ve Kültür Sarayı
文化観光庁PRやメディアなどの動画の撮影場所となっているレストラン。[地図]
3. Edremit Ahtamara Organik Kahvaltı
整備された湖畔が美しいエドレミットにある、味にも景色にも定評のあるレストラン 。[地図]
4. Martı Cafe
湖を見渡す席を確保できたら最高の朝食。トルコのYoutuberが何人か撮影していた場所。 [地図]
ちなみに、マルトゥカフェの近くには、新鮮で安いヴァン湖で捕れたボラをいただけるレストランも↓。
Mavi Göl Balik Izgara [地図]

5. Şehr-i Van Sofrası- Van kahvaltısı ve Yöresel yemekleri
「腹が減っては城塞に登れぬ」と入った、ヴァン城近くにあるおいしかったレストラン。 [地図]
「朝食食べにイスタンブールからヴァンへ日帰りで行った」というツワモノのトルコ人がいましたが、それほど地元人には魅力あるもののようです。
ギャラリー
※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。