ヨーグルト発祥の地!トルコのヨーグルトと乳製品まとめ
公開日 2023年2月19日 最終更新日 2024年5月24日
概要
5400年ほどの歴史をもつとされるヨーグルトは、”中央アジアの遊牧民が偶然革袋の中で発酵したミルクが美味しいことを発見した”ことが起源とされ、その遊牧民こそが中央アジアから小アジア一帯に生きるテュルク民族とされていることから、トルコがヨーグルト発祥の地とされています(諸説あり)。
テュルク民族の国トルコでは、”撹拌する”の意味を持つ”ヨーウルトゥ/Yoğurt”とよばれ、世界で使われる”ヨーグルト”の語源ともなっています。世界に広まったのは、オスマン帝国のスレイマン皇帝治世下で、”薬用食品”として各王へ贈られたことがきっかけのようです。現代でも、老若男女問わず、3食の食事に、おやつに、ドリンクに、絶対に欠かせない国民食の一つです。
トルコのヨーグルトは、牛、羊、山羊、水牛からとれるミルクでつくられます。スーパーなどで目にするほとんどの商品については牛乳から作られているようですが、羊のミルクから作られたヨーグルトも市販されています。
牛以外のミルクは脂肪分が高いことから牛乳よりも濃厚なヨーグルトができます。さらに、ヨーグルトからバターとアイラン(ヨーグルトドリンク)が作られたり、スキムミルクからヨーグルトが作られたりします。
スーパーでの商品名の見分け方
トルコのスーパーや商店では、数多くの種類のヨーグルトが販売されています。脂肪率、製法、フレーバー、ブランド名、会社名が記載されており、慣れていない旅行者には難解すぎます。
例えば、日本でいうところのスタンダードな”○ルガリアヨーグルト”のようなヨーグルトは、”カイマクルスズ/Kaymaklısız””ヤール/Yağlı””サーデ/Sade”と表記のヨーグルトを選びます。
”○岩井生乳ヨーグルト”のようなクリーミーなヨーグルトは”カイマクル/Kaymaklı””ヤール/Yağlı”または”タムヤール/Tam Yağlı””サーデ/Sade”が近いと思います。
”○ルテノ”“◯キル”“◯イコス”のような水切りヨーグルトなら、”スズメ・ヨーウルト/Süzme Yoğurt”または”タヴァ・ヨーウルト/Tava Yoğurt”が似ています。
ヨーグルト選びに迷ったら、万国共通”ジャケ買い”が一番ですね。参考までに、記載されてある表記をまとめてみました。
脂肪率
トルコ語 | カナ | 脂肪率 |
---|---|---|
Tam yağlı | タムヤール | 3.8%以上 |
Yağlı | ヤール | 3.0%以上 |
Yarım yağlı | ヤルムヤール | 1.5%以上 |
Az yağlı | アズヤール | 1.5%以下 |
Yağsız (yavan) | ヤースズ(ヤワン) | 0.15%以下 |
※日本の○ルガリアヨーグルトは3%以下、○ルテノは4%のようです。
製造方法
トルコ語 | カナ | 方法 |
---|---|---|
Set Yoğurt | セト・ヨーウルト | 固まる前に包装容器に充填し容器内で発酵させる |
Stirred Yoğurt | スティッルド・ヨーウルト | 工場内のタンクで撹拌して凝固したヨーグルトを包装容器に分け入れる。 |
Kaymaklı Yoğurt | カイマクル・ヨーウルト | 伝統的製法。脂肪分の多いカイマク(クリーム)を入れて製造。 |
フレーバー
トルコ語 | カナ | 味 |
---|---|---|
Sade Yoğurt | サーデ・ヨーウルト | プレーン |
Meyveli Yoğurt | メイヴェリ・ヨーウルト | フルーツ入り |
Aromalı Yoğurt | アロマル・ヨーウルト | 香りつき |
その他
トルコ語 | カナ | 説明 |
---|---|---|
Kaymaksız Yoğurt | カイマクスズ・ヨーウルト | スタンダード |
Laktozsuz Yoğurt | ラクトズスズ・ヨーウルト | 乳糖なし |
Tava Yoğurt | タヴァ・ヨーウルト | 水切りより硬いヨーグルト |
Süzme Yoğurt | スズメ・ヨーウルト | 水切りヨーグルト |
Light Yoğurt | ライト・ヨーウルト | 低脂肪・低カロリー |
Organik Yoğurt | オルガニキ・ヨーウルト | オーガニック |
Probiyotik Yoğurt | プロビヨティキ・ヨーウルト | プロヴァイオフィクス |
Soya Yoğurdu | ソヤ・ヨーウルドゥ | 豆乳ヨーグルト |
一覧
レストランやロカンタでは、地域やお店ごとに豊富なヨーグルトを使ったメニューが用意されています。すべてはご紹介しきれませんが、観光でも目にするメニューや商品のうち、代表的なものをまとめてみました。
アイラン
国民的飲料であるアイランは、ヨーグルトを水で割って撹拌したヨーグルトドリンクで、甘くない塩味です。最初はだいぶ違和感がありますが、慣れると食事のお供になくてはならないものになります。
マントゥ
トルコの餃子”マントゥ”は、地域や家庭によってオリジナルレシピが存在するため、種類が豊富です。一般的には日本よりも比較的小さめのラビオリのようなもので、肉の旨味と同時に小麦の旨味とヨーグルトの酸味とトマトソースの風味が味わえる、トルコの国民食の一つです。
バッル・ヨーウルト
蜂蜜とナッツがかけられた濃厚ヨーグルトは、ほとんどの場合、羊のミルクで作られます。日本からのツアーでも行程に組み込まれることが多いようです。いわゆるギリシャヨーグルトのような噛みごたえのあるヨーグルトと、トルコ特産の蜂蜜とナッツの組み合わせは、みんなが大好きな味です。
ジャジュク
ジャジュクは、一年中食べられる、冷たいスープのような前菜のようなヨーグルトのお料理です。胡瓜がいいアクセントになっています。とても爽やかでさっぱりしているので、どんなに食欲がない夏の日でも、ジャジュクなら食べられそう。ケバブやキョフテのような、こってりした料理と一緒にいただくのがおすすめです。
ヨーグルト系スープ
ヨーグルトを使ったスープは、ほっとする味で独特の風味と酸味がクセになる味です。”ヤイラス・チョルバス”や”アイラン・アシュ”といったスープが代表的なヨーグルト系スープです。
ヨーグルトを天日干しにした”ドライヨーグルト/クルとゥルムシュ・アイラン”は、南東アナトリア地域で作られます。使うときは、トロトロになるまで水に戻して使います。
ヨーグルト以外の乳製品
カイマク
カイマクは、中東からアジアにかけての広い範囲で食べられているミルククリームで、クロテッドクリームにも似ています。牛乳の脂肪分で作られるため、こってりしていますが、蜂蜜とあわせていただくと消化に良いとされ、食後のデザートに推奨されることもあります。
バター
トルコ語で”テレヤー/Tereyağı”とよばれるバターは、お料理に欠かせない食材の一つです。スープやスイーツはもちろん、肉料理との相性が良いことから、イスケンデル・ケバブのようにソースとしてかけていただくこともあります。バターの中で最も高品質とされるのは、放牧したミルクから作るグラスフェッドバターで有名な、東アナトリア地域のアルダハンやカルスのバターです。
牛乳
牛乳はトルコ語でストゥ/Sütといい、ヨーグルト同様、様々なメーカーやブランドから販売されています。全脂肪乳、低脂肪乳、無脂肪乳、乳糖なし、オーガニックなどがあり、ヨーグルトとほぼ共通の表記方法です。また、チョコ味、いちご味といった子ども向けもあります。”ドーアル/Doğal”とは、ナチュラルの意味です。羊乳/Koyun Sütü、山羊乳/Keçi Sütü のほか、日本でもおなじみの○lproの豆乳、オーツ麦、ココナッツなども販売されています。
※参照サイト:Dia Tek社,食肉および乳製品機関総局,ふれあい牧場communityfarm
※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。