パン発祥国トルコのパンとペストリー

公開日 2021年11月16日 最終更新日 2023年6月13日

概要
シミットのサンドウィッチ

トルコの食事系パンは本当に美味しいです。好みがあると思いますので一概には言えませんが、小麦の味と香りからいって、世界でトップクラスだと思います。焼きたてのパンは外がカリッと、中はもちふわ。日本のパンはどこか「小麦のにおい」がありますが、小麦臭さがありません。一時期は、パン消費量世界一を誇ったトルコのパンは、バゲットを中心に種類も豊富。トマトやオリーブオイルやバターをふんだんに使ったトルコ料理は、美味しいバゲットがあるからこそ、引き立ちます。

レストランで供されるエキメキとシミット

ロカンタやレストランでは、バゲットは無料で供されます。例えば、ケバブを注文した場合、お皿には、ピタパンやピラフが付け合わせでついていますが、バゲットも必ず供されます。基本的には、どのお店でも、食べ放題でお替り自由で、食べ切りそうになると、お替りの有無を尋ねられますベーカリーから取り寄せているお店と、店舗内で焼き上げているお店にわかれるようです。店舗で焼き上げない場合は、ベーカリー(トルコ語:フルンジュ/フルン(Fırıncı/Fırın)から取り寄せます。ベーカリーでは、パン職人が複数人で流れ作業で作り、焼き上がったそばから売れていくさまを目の当たりにします。

トルコ料理とエキメキ

トルコ人にとってパンはとても大切で、「命と同じくらい大切だ」と言う人までいます。アナトリアの肥沃な大地で育った小麦は良質とされ、スペルト小麦などの古代麦の栽培にも力を入れている自治体が多くあります。残念ながら、トルコの小麦はほぼ海外へは輸出されていないそうです。「トルコ産」のお菓子でも、他国から輸入した小麦を加工して輸出している企業が多いそうです。

朝食に出たボレキ

日本人の個人的感覚だと、菓子パンとよばれる種類のペストリー系は、日本のほうがレベルが高いように思います。また、トルコに入国しなくても、ターキッシュエアラインズのイスタンブール発の機内で提供されるパンも美味ですので、各国への乗り継ぎ便としてターキッシュエアラインズを利用するさいも、パンをお試しください。

パンの発祥はトルコ東部
タンドール・エキメキ

今から8000年前、初めてパンを食べたのは、チグリス・ユーフラテス川周辺の域であるとされていて、現トルコ東部あたり、とされているため、発祥の地に名乗りを上げています。麦を石でつぶして、平たい石の上で焼いただけの、無発酵の堅くて平たいものが、パンの始まりとされます。

ユフカ作りの様子

トルコを含む中東~コーカサス地方には、ユフカやラワシュといった薄いクレープ状のパンがあり、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。現代でも、タンドールや鉄板の上で作られたユフカやラワシュには、肉、チーズ、野菜などを挟んでいただいたり、複数枚を重ねてスイーツやペストリーを作ったりと、料理には欠かせないものです。

トルコのパンの種類
スイーツショップにならぶペストリー

パンの基本的な種類としては、全粒粉パン、天然酵母パン、ライ麦パン、そば粉パン、オーツ麦パンなどの、世界的に食されているパンの種類はトルコにもあります。ほかにも、タンドールで焼いたパン、コーンブレッドなどがあり、地域ごとに種類がかわります。特に、黒海地域トラブゾンのパンは美味なことで有名です。

ベーカリーのエキメキ

白いパンはなるべく避けようという動きや、グルテンがより少ない古代種の小麦を使おう、などといった動きは、世界的な流れと一緒です。トルコのパンやペストリーは、こういった基本的な食事パンのほかに多数あり、おそらく全てはご紹介しきれませんが、メジャーなものを中心にご紹介します。

カイセリ・ヤーラマ

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