
トルコのアイスとのびるアイス“ドンドルマ”とは?
公開日 2021年9月2日 最終更新日 2023年10月12日
概要

トルコ語でアイスクリームや氷菓を「ドンドゥルマ/Dondurma」といいます。スーパーで見かける市販品のアイスクリームは、トルコと外資系メーカーの両方があり、どれもレベルが高いです。チョコレートやピスタチオを使ったアイスが多いように思います。

対して、のびるトルコアイスは、「マラシュ・ドンドゥルマ(Maraş Dondurma)」とよばれます。味が食べ慣れているアイスとは違うように思います。すぐ固まってしまう特質上、レストランではナイフとフォークでいただきます。

また、イスタンブールのスルタンアフメットなどの観光地で大人気の、「ドンドルマジュ /Dondolmacı 」とよばれる、伝統衣装を着用したおもしろパフォーマンスのお兄さんたちが販売しているアイスクリームも、マラシュ・ドンドゥルマです。
マラシュ・ドンドルマとは?

マラシュは、地中海地域にあるカフラマンマラシュ/Kahramanmaraş の略称です。

のびるアイスに使うミルクは、牛ではなく山羊ミルクです。このミルクは、カフラマンマラシュ近くにあるアーヒル山で育てられたた山羊限定なのだとか。山羊は、タイム、ゲンゲ、ヒヤシンス、クロッカスなどのハーブや花を食べて育てられていて、独特の香りと味になるのだそうです。

山羊のミルクを90℃に温め、サーレップ、砂糖の順に投入して混ぜ、一晩休ませます。翌日2時間かけて冷やしたら完成。けっこう…いや、だいぶ硬めのアイスクリームになります。マラシュ・アイスのお兄さんがずーっと混ぜているのは、ただのパフォーマンスじゃなかったんですね。

この山羊のミルクとサレップが、他のアイスにはない独特の風味と味を作り、のびるアイスになるのは、サレップによるものです。

このアイスは、アイス専門店(専門のパフォーマンスお兄さん?)か、MADO(マド)でもいただけます。MADOは朝食でも有名ですが、アイスの老舗チェーン店でもあるのだとか。若者からお年寄りまで幅広く支持されるお店です。
氷菓

オスマン帝国時代の氷菓といえば、カルサムバチ(karsambaç)とよばれるソルベであった。当時はまだアイスクリームはなかったようだ。ドラマ『オスマン帝国外伝』にも登場していましたね。アダナやメルシンといった暑い地域では、澱粉入の氷に、バラのシロップをかけ、氷砂糖と一緒に食べるかき氷「ビジビジ」もあります。
ギャラリー
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