写真で紹介!超美味トルコのチーズ

公開日 2021年10月6日 最終更新日 2024年3月1日

概要
ミハリチ・チーズ

日本では、あまりトルコ産チーズを見かけることが少ないため、トルコが密かにチーズ大国であることは、あまり知られていないように思います。考えてみれば、テュルク民族は元々、中央アジアの遊牧民であり、ヨーグルトを産んだ民族ですから、チーズはもちろん国民的食材です。180〜200種類あるといわれるトルコのチーズの中で最もポピュラーなのは、白チーズやカシャールチーズです。その他、グリュイエールチーズのようなとろけるチーズから、ゴルゴンゾーラのようなブルーチーズに至るまで、種類は実に豊富。

チーズを使ったスイーツ/キュネフェ

牛/İnek、羊/Koyun、ヤギ/Keçi、水牛/Mandaのミルクからつくられるチーズは、地域ごとに膨大な量のブランドチーズを生み出してきました。朝食には数種類のチーズをそのまま食卓へ、ランチやおやつにはチーズ入りのサンドイッチやペストリーやスイーツを、夕食にはチーズを使った前菜や料理の数々がテーブルに並びます。

マーケットのチーズ

市場では、「フレッシュ(ターゼ/TAZE)」「熟成(エスキ/ESKİ)」「少し塩気あり(アズ・トゥズル/AZ TUZLU)」「●●村産(キョイ/KÖY)」などの札が並び、正直、どれを買うか迷います。購入時の参考にしていただきたく、トルコ産のチーズをご紹介します。とてもすべてのチーズをこのページ内でご紹介することは難しため、主なチーズのみご紹介します。

※ミグロスなどのスーパーには、日本や欧米でおなじみのスライスチーズやカマンベールチーズなどが複数の企業/ブランドで販売されています。

日本へのお土産について

トルコ旅行のお土産として、チーズや乳製品は携帯品・別送品であれば、一定の条件下で持ち込み可能のようです。が、購入前に、必ず動物検疫所の公式サイト をご確認いただき、不明点は当該官庁へお問合せください。レストランでは、チーズ盛り合わせ”ペイニル・タバウ/Peynir Tabağıをオーダーできます。

一覧
1. ホワイトチーズ/Beyaz Peynir
白チーズ
白チーズのボレキ

白チーズは、トルコのチーズにおいて最もポピュラーです。牛、羊、ヤギなど様々な種類のミルクから作られ、さらに、全乳、脱脂乳から作られたもの、熟成させたものなど、多種多様にあります。ほろっとした食感はカッテージチーズに似ていて、堅くもなく柔らかくもない絶妙な食感です。トルコの定番小麦料理であるボレキ(ボレイ)や、ギョズレメといったペストリー系の料理に多用されます。スイカやオリーブなど、相性の良い食材も多くバリエーションは豊かです。朝食にはそのままで、ランチにはペストリーやサンドウィッチで、夕食にはメゼとしていただきます。また、トルコの蒸留酒ラクのおつまみにも欠かせません。エディルネアンタルヤ産が上質とされます。また、チャナッカレのエズィネ産の白チーズは、エズィネチーズ/Ezine Peyniriとよばれ、他の白チーズと似てますが特別なものです。

2. トゥルム・チーズ/Tulum Peynir
トゥルムチーズ
トゥルムチーズ

”トゥルム”とは、”羊の革”を意味します。羊の革に入れたミルクで熟成発酵させていることから名付けられました。トゥルム・チーズは、地域により、羊または牛のミルクから作られます。どのミルクからどのように作るかは地域ごとに異なるため、味や風味も異なっているのが特徴です。共通しているのは、製造の過程で最低でも3~6か月ほどは熟成させる、ということです。クリーミーでなめらかなトゥルム・チーズは、そのままいただいたり、前菜としてバゲットにのせていただいたり、ピデをつくることもあります。イズミルで購入できる、”ベルガマ・トゥルムチーズ”は、塩水に浸して熟成させているクリーミーなチーズで、クセもなく絶品。遺跡巡りの合間にバザールへ立ち寄ってお試しください。

3. ミハリチ・チーズ/Mihalıç peyniri
ミハリチチーズ
ミハリチチーズ

ミハリチ・チーズの歴史は古く、オスマン帝国時代には作られていたとされます。塩気があるチーズで、よくパルメザンと比較されることがあります。低温殺菌されていない羊のミルクから作られるミハリチは、堅くなる前に塩水に浸して保存。羊だけでなく、牛やヤギのミルクから作ることがあります。塩気があるので、そのまますりおろして、サラダやパスタなどの料理に振りかけるのが定番です。このチーズは、マルマラ海地域にあるバルケシルブルサの特産品です。

4. ロル・チーズ/Lor Peyniri
ロル・チーズ
ミハリチ・チーズ

ロル・チーズは、いわゆる乳清チーズで、脂肪分と塩気が少ない割に栄養価が高く、カッテージチーズのように、ほろっとした食感のチーズです。あっさりしているため、ペストリー系のお菓子に使われることが多いですが、オリーブオイル、スパイスやハーブを混ぜ込んで、前菜としていただくのもスタンダードです。特に、ラマザン(断食)に食べられるお菓子”ロル・タトゥルス”に使われます。ロル・チーズは、バルケシル市マニアス地区の特産品です。

5.ヘッリム・チーズ/Hellim Peyniri
ヘッリムチーズ
ヘッリムチーズのバーガー

日本のチーズ好きなら、知っている方が多いであろう、ヘッリム・チーズは、キプロス生まれのチーズ”ハルーミチーズ”と同じようです。羊、山羊、牛のミルクから作られるチーズは、かなり塩気が強く、水につけて塩気を抜いて、焼いてからいただきます。フライパンなどで両面を焦げ目がつくまで焼き、トロッととけるチーズに。パンに挟んだり、サラダとともにいただいたり、そのままフォークとナイフでいただくのも美味しいです。

6.キュフリュ・チーズ/Küflü Peyniri
キュフリュチーズ
キュフリュチーズ

あまり種類は多くない印象ですが、トルコにもブルーチーズがあります。キュフリュ・チーズ/ギョク・チーズは、中央アナトリア地域にあるコンヤの特産品です。季節によって牛と羊のミルクの配合を変更して作られます。ひよこ豆や大麦の酵母を使い、3カ月間熟成させます。癖のあるブルーチーズは、チーズ大国トルコでも、まだ一般的とは決して言えない状況のようですが、それでもイスタンブールやイズミル、アンカラといった大都市では人気があるチーズで、入手まで一年待ちになるほどの人気ぶりです。コンヤで見かけたらぜひお味見ください。

7.カルス・カシャール・ペイニリ/Kars Kaşar Peyniri
カシャール・ペイニリ

東アナトリア地域にあるカルスは、手つかずの自然が残されていることから、チーズをはじめとする乳製品や蜂蜜が特産品です。牧草地で放牧された乳牛のミルクから作るカルスとアルダハンのカシャール・チーズは、トルコでも一二を争う高価なチーズとして知られます。

8.ディヴレ・オブルク・チーズ/Divle Obruk Peyniri
ディヴレ・オブルク・チーズ

ディヴレ・オブルク・チーズは、中央アナトリア地域のカラマン市アイランジュ区ウチャルマン(ディヴレ)村周辺でのみ生産されるチーズです。この地域の植物を食べた山羊または羊のミルクを熟成させるのは、特定の洞窟です。洞窟にはチーズを作るための常在菌がいて、ここ以外でこのチーズを作ることができないそうです。村周辺には、複数のチーズショップがあります。

9.ジビル・チーズ/Civil Peyniri
ジビル・チーズ

ジビルチーズは、東アナトリア地域にあるエルズルムの特産品で、名前は違えども酷似している、隣接するカルスのチェチル・チーズとあわせて、この地域特有のチーズになっています。エルズルムのジビルチーズは、脱脂乳から作られるため、少し歯ごたえがあって色が白く、酸味と塩気があります。朝食に添えて、ランチのピデやトーストにトッピングして、いただきます。

10.オルギュ・チーズ/Örgü Peyniri
オルギュ・チーズ

オルギュとは、”ニット””編む”という意味があります。全乳から作られるチーズは、見た目は柔らかそうですが、食べてみると白チーズのように少し歯ごたえがあります。ディヤルバクルの名産品として知られ、ディヤルバクル市内にある複数のチーズ専門店で購入できます。

11.オトゥル・チーズ/Otlu Pyeniri
オトゥル・チーズ

オトゥルとはハーブのことで、緑に見えるのはカビではなく6種類のハーブです。使われているハーブは、チャイブ、ヘリズ、メンド、シアボ、タイム、ワイルドミントです。これらのハーブは春に野原や高原で採られることから、チーズもこのタイミングにあわせて毎年春に生産され、2〜3ヶ月熟成させたのちに販売されます。オトゥルチーズはヴァン市の特産品で、この地域特有のハーブが利用されています。チーズには欠かせないハーブが与える特有の風味がオトゥルチーズの特徴です。

※この記事は、登録日(最終更新日)時点の取材情報を元に作成しております。実際に訪れていただいた際、スポット(お店)の都合や事情により記載してある記事の内容と差異があることがあります。どうぞご了承くださいませ。

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