ユフカとラワシュ | トルコの無形文化遺産

公開日 2021年11月14日 最終更新日 2023年6月12日

概要

ユフカとラワシュは、どちらもクレープ状の薄い無発酵のパンで、トルコだけでなく、中東~コーカサス地方の周辺各国で食べられています。古代から食べられていたこれらのパンは、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。水、小麦粉、塩のみで作った生地を、薄く伸ばして釜またはタンドールで焼き上げるシンプルなものですが、小麦が美味しいため、噛むたびに小麦の風味が口の中に広がっていきます。ラップサンドのようにケバブや野菜やチーズなどを巻いたり、パイバクラヴァのように何枚も重ねて、ペストリーやスイーツにしたりと、トルコ料理において大活躍です。

ユフカ(Yufka)
ユフカ
ユフカ

ユフカはフィロともよばれ、ギリシャ語の”葉”が起源とされています。イーストを使わず、手間暇かけて何度も伸ばし、薄く大きく広げた生地で、主にペストリーやスイーツに使われます。完成した生地に白チーズやパセリなどをはさめば、ギョズレメになり、生地を何層にも重ねてチーズ、ナッツ、ひき肉、ほうれん草などを挟んで焼き上げ、パイ(ボレキ/Börek)などのペストリーになり、ナッツをはさんでシロップに浸したら、バクラヴァ/Baklavaになります。ユフカは、隣国シリアやエジプトでもよく使われています。

ラワシュ/ラヴァシュ(Lavaş)
ラワシュ
ケバブのラワシュサンド

ラワシュ(ラヴァシュ)はトルコのみならず、イラン・アルメニア、アゼルバイジャンなどの、中東・コーカサス地方を中心に食べられているラップサンド用の薄いパンで、ユフカよりも少し厚めでつくります。当初は、”アルメニアが発祥”とされていたため、アルメニアの無形文化遺産としてユネスコに登録されましたが、現在は複数国の無形文化遺産となっています。ラワシュは、小麦粉、水、塩でつくられた生地を、土中にある釜(タンドール)で焼き上げます。タンドールがない家庭では、生地を伸ばしたら鉄板で焼くのが一般的です。

アダナケバブとラワシュ

ラワシュはケバブなどを巻いて食べるのがスタンダードです。頼まなくても、ケバブと一緒に供されることもあります。または、ケバップチュ(ケバブ専門店)でケバブをオーダーするさい、バゲット、ラワシュ、ピタ、ご飯などを選べたりします。トルコのバゲットはハーフサイズでも大きいので、軽めのランチには、ラワシュがおすすめです。

ギャラリー

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